ニッポン犯罪タブー都市伝説 |
畠山鈴香事件や香川坂出3人殺害事件、歯科一家バラバラ殺人事件、時津風部屋リンチ死事件、NOVA英国人講師殺害事件など最近の事件から池田小学校児童殺傷事件の宅間、酒鬼薔薇聖斗、先日死刑執行された宮崎勤など日本を震撼させた衝撃事件についてや、アタナハン島事件やニューギニアにおける日本軍の人肉食事件と奥崎謙三など戦中における怪奇事件など、様々な時代の事件を取り上げ、それを「都市伝説」的な視点で考察している。
畠山鈴香事件の現場写真に被害児童の霊の写真が映ってたとか、坂出事件の被害者家族である山下清氏が突然頭を丸めた行動についての分析を日本の三大怨霊のひとつである崇徳天皇の祟りが関わってるとか、歯科一家バラバラ殺人は水にまつわる古代神に対する生贄だったとか、平塚5遺体事件の岡本千鶴子は源義経の怨念が絡んでるとか、かなりこじつけに近い強引なオカルト説が展開されていたが、その事件が起きた土地ならではの伝説とか因縁など一部ホラー的に興味深い話もあったりで面白い。
また戦中孤島に流れ着いた多くの日本兵たちが一人の女性をめぐって殺しあったという「アタナハン事件」は驚きだったし、苛烈な戦いを極めたニューギニアで逃亡の罪を着せられ処刑された兵士たちが、実は食料にするため罪をでっち上げられ殺されたという事実とそのニューギニアで戦い、帰国後数々の犯罪と奇行を繰り返した「奥崎謙三」という怪人物についての記事は衝撃だった。
それにしてもその奥崎氏が女装してSMプレイを披露したという「神様の愛い奴」という映画の写真が載ってたがこの映画って一体何・・・・???
他にはミラーマンこと植草教授と村上ファンドの村上世彰、バンソウコウ大臣として変に有名になった赤城徳彦元農相が同じ大学の出身で反米の秘密結社を3人で作り日本支配も企てたため、それぞれ痴漢やインサイダー取引、事務所費の疑惑などで失脚に追い込まれたなんて説とか、有名人の改名と不幸エピソード、7人の芸能人の死にまつわる話、福田首相の出身地で起こる犯罪の連鎖や犯罪が多発する北関東県境エリアと西武グループの関係など「事件の裏側」的な記事もあり、特に「芸能人の死」では86年に起こった岡田有希子の自殺が実は石原裕次郎が愛人にしていた松田聖子を妊娠させてしまい、ダミーとして神田正輝と結婚させたが、実際神田と交際していたのは岡田で悲観して自殺というこれまで言われているのとまた少し違う説が展開していた。なので沙也加の本当の父親は裕次郎らしいが・・・・・・
それから事件の説明を読んだだけで悲惨な想像が頭に広がった62年の「三河島列車事故」は恐ろしいほど地獄絵図そのままな状況で、こんな悲惨な列車事故があったというだけでも驚きだが、その被害者の中に他人の服を着たまま死んでいた身元不明の人物がいたという不可解さも謎が深まる。
妙と言えば81年の連続通り魔、川俣軍司は出所後「かっぱ寿司」で働いてるというちょっと笑える変な噂や染色体異常と犯罪の関係、明治・大正期に起きた凶悪事件の紹介、犯罪者や悪徳業者などが家の玄関につける謎のマーキングについての解説など盛り沢山な内容で以前読んだのと同じような話も多かったが新たに興味を持った事件や人物もいくつかあったし、それなりに楽しめた1冊だったと思う。