2008年 07月 13日
その時歴史が歪んだ 信長異聞録 |
ぶんか社発行の漫画「その時歴史が歪んだ 信長異聞録」を読んだ。
この漫画は戦国時代における武将織田信長を中心に豊臣秀吉や明智光秀、徳川家康などが絡んだ様々なミステリーなエピソードを収録したアンソロジー本であるが、内容としては「奇襲ではなかった桶狭間」、「仕組まれた信玄暗殺」、「秀吉が仕組んだ本能寺」、「男色が招いたクーデター」、「日本侵略を企んだイエズス会」、「戦国の武器となった茶器」、「信長の朝廷殲滅計画」、「生き延びていた信長」の8編である。
このうち「秀吉が仕組んだ本能寺」、「男色が招いたクーデター」、「日本侵略を企んだイエズス会」、「信長の朝廷殲滅計画」、「生き延びていた信長」の5編は信長の暗殺事件「本能寺の変」に絡んだエピソードであり、それぞれの視点から暗殺の真相を追究してるが「秀吉が仕組んだ本能寺」と「信長の朝廷殲滅計画」は前に見た時代劇ドラマ「信長の棺」でやっていたような説だったし、「日本侵略を企んだイエズス会」も前に見た歴史ミステリー番組的なもので見たおぼえがあって目新しさはなかったが、「男色が招いたクーデター」の話はホモ武将の恋愛関係がこじれて嫉妬や憎しみが生んだ戦乱の末の暗殺だったなんて説は三流週刊誌的な話ながら、戦国時代ではこういう「衆道」とよばれる同性愛が当たり前だっただけに暗殺の一因だというのも否定出来ない気がする。
また、本能寺を逃れた信長が薩摩でしばらくの間生きていたものの、結局は襲撃時の傷が原因で死んでしまったという「生き延びていた信長」のエピソードも初めて聞く話で興味深かった。
それから「奇襲ではなかった桶狭間」ではあの奇襲作戦は実は元から奇襲ではなく、結果的に奇襲としてたまたま成功したものだったというエピソードだったのだが、以前見たアニメ映画「秘密結社鷹の爪THE MOVIE」の1編「古墳ギャルコフィー」でのエピソードで桶狭間の戦いにコフィーちゃんとダニエル、桶狭間先生が深く関わっていたというおバカな話を思い出して、案外あのアニメみたいなバカな事もあったかも?なんて事も思った。
「戦国の武器となった茶器」は領土や金品の代替品として茶器の価値を信長と千利休が高め、そのからくりを知っていた秀吉も茶器の価値を政治利用したが、やがて利休は茶道の目的の方向性を変えてしまい秀吉との溝を深めて悲劇的末路をたどったという話は現代のあらゆる「モノ」に対する付加価値的な思考やシステムに通ずる感じがするし、日本人が「モノ」に対してお宝的価値を考え始めたのはこの戦国時代だったのかもしれないとも思った。
この漫画は戦国時代における武将織田信長を中心に豊臣秀吉や明智光秀、徳川家康などが絡んだ様々なミステリーなエピソードを収録したアンソロジー本であるが、内容としては「奇襲ではなかった桶狭間」、「仕組まれた信玄暗殺」、「秀吉が仕組んだ本能寺」、「男色が招いたクーデター」、「日本侵略を企んだイエズス会」、「戦国の武器となった茶器」、「信長の朝廷殲滅計画」、「生き延びていた信長」の8編である。
このうち「秀吉が仕組んだ本能寺」、「男色が招いたクーデター」、「日本侵略を企んだイエズス会」、「信長の朝廷殲滅計画」、「生き延びていた信長」の5編は信長の暗殺事件「本能寺の変」に絡んだエピソードであり、それぞれの視点から暗殺の真相を追究してるが「秀吉が仕組んだ本能寺」と「信長の朝廷殲滅計画」は前に見た時代劇ドラマ「信長の棺」でやっていたような説だったし、「日本侵略を企んだイエズス会」も前に見た歴史ミステリー番組的なもので見たおぼえがあって目新しさはなかったが、「男色が招いたクーデター」の話はホモ武将の恋愛関係がこじれて嫉妬や憎しみが生んだ戦乱の末の暗殺だったなんて説は三流週刊誌的な話ながら、戦国時代ではこういう「衆道」とよばれる同性愛が当たり前だっただけに暗殺の一因だというのも否定出来ない気がする。
また、本能寺を逃れた信長が薩摩でしばらくの間生きていたものの、結局は襲撃時の傷が原因で死んでしまったという「生き延びていた信長」のエピソードも初めて聞く話で興味深かった。
それから「奇襲ではなかった桶狭間」ではあの奇襲作戦は実は元から奇襲ではなく、結果的に奇襲としてたまたま成功したものだったというエピソードだったのだが、以前見たアニメ映画「秘密結社鷹の爪THE MOVIE」の1編「古墳ギャルコフィー」でのエピソードで桶狭間の戦いにコフィーちゃんとダニエル、桶狭間先生が深く関わっていたというおバカな話を思い出して、案外あのアニメみたいなバカな事もあったかも?なんて事も思った。
「戦国の武器となった茶器」は領土や金品の代替品として茶器の価値を信長と千利休が高め、そのからくりを知っていた秀吉も茶器の価値を政治利用したが、やがて利休は茶道の目的の方向性を変えてしまい秀吉との溝を深めて悲劇的末路をたどったという話は現代のあらゆる「モノ」に対する付加価値的な思考やシステムに通ずる感じがするし、日本人が「モノ」に対してお宝的価値を考え始めたのはこの戦国時代だったのかもしれないとも思った。
by lucifuge
| 2008-07-13 21:21
| 本/コンビニ本