2008年 08月 07日
H.R.GIGER/GIGER'S ALIEN |
スイスの幻想画家「H.R.ギーガ−」が彼の名を世界に轟かせる事になった映画「エイリアン」の製作に関わり、どういう過程で彼の作品世界が映画に反映されていったかを追ったドキュメンタリー映画「GIGER'S ALIEN」をビデオで見た。
私は同名の彼の画集も持っているので登場する彼の絵は見た事があるものばかりだったが、興味深いのはエアブラシで描いている所とか元工業デザイナーだったギーガー自身のクリーチャーに対する機能的デザインのこだわりなど、彼の貴重な制作風景が見られる点。
そして彼によって描かれた映画「エイリアン」の世界観をそのまま現実化しようとする困難な試みや木材や石膏、樹脂などを使って工夫を凝らしながらそれが実際に「モノ」として出来上がっていく様子はまさに圧巻!
ノストロモ号の乗員たちが発見したエイリアンに襲われてバイオメカニカル化した異星人の宇宙船の内部や操縦席のセットは本当に芸術的である。
作品は30年近く前のものであるが、今見ても決して見劣りしない驚異の映像であるし、何より基になったギーガーのイメージの素晴らしさがここまでの作品を生んだのだと思うし、この「エイリアン」の第1作はSFでありホラーであり、極限状態の人間ドラマであるのに加え何より芸術的作品であるといえる。
また元々エイリアンの卵のフェイスハガー(幼獣)が出てくる口の部分は女性器に似た形状だったが、公開時にカトリック系団体からの抗議を警戒して十字形の切れ込み形状にしたという話とか、最初は虫のような眼があったビッグチャップ(成獣)は眼が無い方が恐怖感が増すという事でデザインを変更したとか制作過程における裏話は面白かったし、全ての撮影が終わった後、あれだけ苦労して作ったセットを躊躇なく壊してしまう様子は儚い・・・・。
しかし映画の撮影というのはそういう作られ壊され繰り返しだし、そこで苦難の末に作られた映像の結晶が人々の中に記憶として残るというのが「映画」であるともいえるのかもしれない。
それにしてもセットを作っていくシーンではギーガー含めて各分野の「職人」たちが本当にプロの仕事をしているし、こういうモノとしてちゃんと作られたものを使った本物の迫力というのは何でもCGで片付けてしまう今のSF系映画にはない気がする。
監督のリドリー・スコットはギーガーの想像したエイリアンについて「怪物を超えた存在」であり、彼の描く作品には確固とした世界とリアリティがあると言っていたのが印象に残った。
私も怪奇幻想の世界観で怪物系のキャラクターも色々と描くがまだまだその怪物が実際に存在していそうという感じの「リアリティ」は表現出来ていないと思うし、もっと見る人の感覚に迫れるような存在感のあるキャラクターや世界観をもっと見せていければと思う。
私は同名の彼の画集も持っているので登場する彼の絵は見た事があるものばかりだったが、興味深いのはエアブラシで描いている所とか元工業デザイナーだったギーガー自身のクリーチャーに対する機能的デザインのこだわりなど、彼の貴重な制作風景が見られる点。
そして彼によって描かれた映画「エイリアン」の世界観をそのまま現実化しようとする困難な試みや木材や石膏、樹脂などを使って工夫を凝らしながらそれが実際に「モノ」として出来上がっていく様子はまさに圧巻!
ノストロモ号の乗員たちが発見したエイリアンに襲われてバイオメカニカル化した異星人の宇宙船の内部や操縦席のセットは本当に芸術的である。
作品は30年近く前のものであるが、今見ても決して見劣りしない驚異の映像であるし、何より基になったギーガーのイメージの素晴らしさがここまでの作品を生んだのだと思うし、この「エイリアン」の第1作はSFでありホラーであり、極限状態の人間ドラマであるのに加え何より芸術的作品であるといえる。
また元々エイリアンの卵のフェイスハガー(幼獣)が出てくる口の部分は女性器に似た形状だったが、公開時にカトリック系団体からの抗議を警戒して十字形の切れ込み形状にしたという話とか、最初は虫のような眼があったビッグチャップ(成獣)は眼が無い方が恐怖感が増すという事でデザインを変更したとか制作過程における裏話は面白かったし、全ての撮影が終わった後、あれだけ苦労して作ったセットを躊躇なく壊してしまう様子は儚い・・・・。
しかし映画の撮影というのはそういう作られ壊され繰り返しだし、そこで苦難の末に作られた映像の結晶が人々の中に記憶として残るというのが「映画」であるともいえるのかもしれない。
それにしてもセットを作っていくシーンではギーガー含めて各分野の「職人」たちが本当にプロの仕事をしているし、こういうモノとしてちゃんと作られたものを使った本物の迫力というのは何でもCGで片付けてしまう今のSF系映画にはない気がする。
監督のリドリー・スコットはギーガーの想像したエイリアンについて「怪物を超えた存在」であり、彼の描く作品には確固とした世界とリアリティがあると言っていたのが印象に残った。
私も怪奇幻想の世界観で怪物系のキャラクターも色々と描くがまだまだその怪物が実際に存在していそうという感じの「リアリティ」は表現出来ていないと思うし、もっと見る人の感覚に迫れるような存在感のあるキャラクターや世界観をもっと見せていければと思う。

by lucifuge
| 2008-08-07 21:25
| 芸術・アート/画集