2008年 08月 13日
ハプニング |
「シックス・センス」のM・ナイトシャマラン監督の新作「ハプニング」を観た。
全米から蜂が姿を消すという謎の現象にはじまり、ある日のニューヨーク・セントラルパークでは自ら死んでいく人々が続出していた・・・突如として始まった「異変」に毒ガスを使ったテロ説が流れ、はっきりとした原因もわからないまま各地に被害が広がる中、フィラデルフィアで科学教師をしているエリオットは妻アルマと親友の数学教師ジュリアン、その娘であるジェスとともに町からの脱出を図るが・・・・といった内容。
これまでのシャマラン監督の作品といえば一体何が起こっているのかこの事態は何なのかという不可思議な展開とラストにおけるドンデン返しの衝撃が面白いパズル的構成の作品イメージがあったが、この「ハプニング」も前半提示される要素的にはそういうパターンかと思いきや、謎の全容ははっきりしないながら真相めいたものは案外早い段階で明かされているし(植物にする関するある習性についての話だったが、アイデア的には好き)今回はドンデン返しの面白さではなくパニック状況における人間たちの愛や友情、絶望や悲しみなどの心理を描いたようなSF人間ドラマに仕上がっている感じ。
なのでこれまでのシャマランの映画と比べたらかなり単純でわかりやすい作りだし、愛し合いながらも何かすれ違っているエリオットとアルマの関係やエリオット夫妻は成り行き上親友ジュリアンから娘ジェスを託されるが、脱出行動の中エリオットたちと過ごすジェスとの擬似親子的関係など、過酷な状況の中で日常で失った大事なものを取り戻していったり、設定として話のスケールは人類が滅亡するような大きさながら描く部分はご近所的というか、ごく身近な関係性なのが妙(後半登場する一人暮らしのちょっとサイコな婆さんとかもキャラ的にも妙)な感じでシャマランらしい(笑)
しかしながら映像的には自らの首を刺す女性とかライオンに腕を喰わせる飼育係など結構グロいシーンや集団で次々にビルの屋上から飛び降りる人々とかピストル自殺した警官のピストルを手にとって別の人が死に、またそのピストルを手にとって別に人が・・・という衝撃的シーンを淡々と描いた撮り方はジワジワと迫ってくる目に見えないものの「恐怖」というか、得体の知れない静かな不気味さを感じてかなり良かったし、こういうホラーシーンの撮り方が出来るのなら今度はもっと本格的にホラー作品を撮ってもらいたい♪
ただ、何かわからない状況で人々が危機に直面する中描かれる人間ドラマ~という感じの映画では今年前半に観たスティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督の「ミスト」も世界観的に似たイメージの印象であり、この「ハプニング」はシャマランの映画としては新しいパターンを見せてもらった感じだが、「ミスト」と比べてしまうと人間ドラマの深さや衝撃度は及ばないし、そういう面ではちょっと物足りなかった気もする。
全米から蜂が姿を消すという謎の現象にはじまり、ある日のニューヨーク・セントラルパークでは自ら死んでいく人々が続出していた・・・突如として始まった「異変」に毒ガスを使ったテロ説が流れ、はっきりとした原因もわからないまま各地に被害が広がる中、フィラデルフィアで科学教師をしているエリオットは妻アルマと親友の数学教師ジュリアン、その娘であるジェスとともに町からの脱出を図るが・・・・といった内容。
これまでのシャマラン監督の作品といえば一体何が起こっているのかこの事態は何なのかという不可思議な展開とラストにおけるドンデン返しの衝撃が面白いパズル的構成の作品イメージがあったが、この「ハプニング」も前半提示される要素的にはそういうパターンかと思いきや、謎の全容ははっきりしないながら真相めいたものは案外早い段階で明かされているし(植物にする関するある習性についての話だったが、アイデア的には好き)今回はドンデン返しの面白さではなくパニック状況における人間たちの愛や友情、絶望や悲しみなどの心理を描いたようなSF人間ドラマに仕上がっている感じ。
なのでこれまでのシャマランの映画と比べたらかなり単純でわかりやすい作りだし、愛し合いながらも何かすれ違っているエリオットとアルマの関係やエリオット夫妻は成り行き上親友ジュリアンから娘ジェスを託されるが、脱出行動の中エリオットたちと過ごすジェスとの擬似親子的関係など、過酷な状況の中で日常で失った大事なものを取り戻していったり、設定として話のスケールは人類が滅亡するような大きさながら描く部分はご近所的というか、ごく身近な関係性なのが妙(後半登場する一人暮らしのちょっとサイコな婆さんとかもキャラ的にも妙)な感じでシャマランらしい(笑)
しかしながら映像的には自らの首を刺す女性とかライオンに腕を喰わせる飼育係など結構グロいシーンや集団で次々にビルの屋上から飛び降りる人々とかピストル自殺した警官のピストルを手にとって別の人が死に、またそのピストルを手にとって別に人が・・・という衝撃的シーンを淡々と描いた撮り方はジワジワと迫ってくる目に見えないものの「恐怖」というか、得体の知れない静かな不気味さを感じてかなり良かったし、こういうホラーシーンの撮り方が出来るのなら今度はもっと本格的にホラー作品を撮ってもらいたい♪
ただ、何かわからない状況で人々が危機に直面する中描かれる人間ドラマ~という感じの映画では今年前半に観たスティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督の「ミスト」も世界観的に似たイメージの印象であり、この「ハプニング」はシャマランの映画としては新しいパターンを見せてもらった感じだが、「ミスト」と比べてしまうと人間ドラマの深さや衝撃度は及ばないし、そういう面ではちょっと物足りなかった気もする。

by lucifuge
| 2008-08-13 22:03
| 映画/洋画