2008年 08月 18日
レッツ!ゲスシネマ |
ブックオフの100円コーナーで「レッツ!ゲスシネマ」という本を入手したので読んでみた。
この本は大阪のABCラジオで深夜に放送されている毒舌映画批評番組「アシッド映画館」のパーソナリティである平野秀明氏による1997年に発行された著書であるが、ラジオの内容と同じくゲスい話満載のとんでもない本だった!(笑)
内容としては当時の注目映画や過去の名作、駄作などをネタに平野氏が知った裏事情を踏まえて様々な事をあれやこれやと邪な考えで推測(邪推)したり、その邪推が「考え過ぎだろ~!」っていう域まで暴走してたりで普通によくある映画本とは全く違う面白さがあると思う。
「スピード2」のジェイソン・パトリックや「ウォーター・ワールド」のケビン・コスナーの薄くなった髪の毛の話に始まり、当時のエディ・マーフィーやジム・キャリーのスランプと彼等のスランプの原因の分析、マイケル・J・フォックスやマコーレー・カルキンなど子役からスターになった者の悲運を語った話、「プリティ・ウーマン」の裏側に見える監督の意図、「ティナ」のアンジェラ・バセットや「トゥルーライズ」のジェイミー・リー・カーティスが見せた体当たりな役者根性、「バットマン」シリーズにおけるティム・バートン監督の自己との同一化思考やその後のシリーズを担当したジョエル・シューマッカー監督のホモネタ話、キム・ベイシンガーの「ゲッタウェイ」やメラニー・グリフィスの「ボーン・イエスタディ」など自らの私生活を売りにしたような映画に対するツッコミ話、ディズニー映画の裏側と作る側の遊び心を分析した話、SF映画の金字塔「スターウォーズ」における「フォース」という都合の良い言葉を利用したジョージ・ルーカスの商売のウマさ分析、「ダイハード3」がつまらなかった理由、劇場版「スパイ大作戦」こと「ミッション・インポッシブル」をTVシリーズのファンだった平野氏が観て違和感をおぼえた理由、当時1年半ぶりの主演作復帰をしたシュワルツェネッガーが突然凛々しくなった理由は実はその「空白の1年半」の間に整形していた・・・なんて推測、「JFK」などで知られるオリバー・ストーン監督の強引さについてなど様々な映画における平野氏独自のゲスい考えが炸裂しているし、10年以上前の本ながら言ってる事や邪推の仕方は今放送しているラジオで話している事と何ら変わりなくこの時代に既に平野氏の原型は完成していたのかも?と思わせる内容であるし、有名ながら興味のあるジャンルでもなかったのでこれまで観なかったような映画でも「そういう観方があるのか!」と思わせて何だか観たくなってくるような面白さを持った本でもある。
「スター・ウォーズ」の項目では当時11歳だった平野氏が通常より料金が高いも「シネラマ」という迫力の上映方式の劇場でどうしても「スターウォーズ」が見たかったため、通常料金とさほど変わりがない深夜興行に小学生でありながら行くという、劇場側の規則にしても今の社会では考えられない無茶さとかが有り得てたのが何か凄いし、平野氏の「スターウォーズ」に対する熱意とか興奮が伝わってくるような体験談は読んでいて楽しかった。
それにしても当時の映画批評は特撮を一段低いように見てたらしく、スターウォーズにも冷めた空気だったらしいが、ここまでファンをひきつけ一つの「現象」となる映画もなかなかないだろうし、そういうファンを虜にするような魅力が理解出来ないような特撮に偏見を持つ気取った批評家の目には呆れる。
逆に20周年特別編が公開された当時の雑誌は過剰なスターウォーズ・フィーバーぶりだったらしいが、平野氏の分析ではそれは自分と同じく熱狂した世代が雑誌を作る側になったからという理由らしいが、時代の価値観は変わっていくものだし、今の時代にダメ映画扱いされてる作品でも後に意外な評価を受けるものも出てくるかもしれない。
それから10年以上前の本だけあってこれから製作される映画についても書かれていたが、スピード2やウォーター・ワールドの項目では「水を使ったハリウッド映画は金がかかるわりにヒットしにくい」という彼の分析から当時製作中だった「タイタニック」についてコケるんじゃなかろうか?という心配もされていたが、実際は大ヒットだったり、シュワルツェネッガーの項目ではその後シュワが政治の世界に行くという予測は当たっていたりとか今の映画界の状況を知ってる上で読んでみても楽しめる。
また本の途中にこちらも関西ではマニアックな人気を持つラジオ番組「サイキック青年団」のパーソナリティである竹内義和氏が「ジュラシックパーク」の続編「ロストワールド」の感想を男性器に例えて語るという悪ノリな文章とか、同じくサイキック青年団に出演する北野誠の序文、「アシッド映画館」のスタッフ「ボンちゃん」と平野氏の日本映画についてのゲスな対談(一見ゲスだが結構状況の本質を言い当てていると感じさせる所がある意味凄い!)などメインとは別におバカな遊び心にも富んだ構成なのも面白かった。
他にも平野氏の本があるならまた読んでみたい♪
この本は大阪のABCラジオで深夜に放送されている毒舌映画批評番組「アシッド映画館」のパーソナリティである平野秀明氏による1997年に発行された著書であるが、ラジオの内容と同じくゲスい話満載のとんでもない本だった!(笑)
内容としては当時の注目映画や過去の名作、駄作などをネタに平野氏が知った裏事情を踏まえて様々な事をあれやこれやと邪な考えで推測(邪推)したり、その邪推が「考え過ぎだろ~!」っていう域まで暴走してたりで普通によくある映画本とは全く違う面白さがあると思う。
「スピード2」のジェイソン・パトリックや「ウォーター・ワールド」のケビン・コスナーの薄くなった髪の毛の話に始まり、当時のエディ・マーフィーやジム・キャリーのスランプと彼等のスランプの原因の分析、マイケル・J・フォックスやマコーレー・カルキンなど子役からスターになった者の悲運を語った話、「プリティ・ウーマン」の裏側に見える監督の意図、「ティナ」のアンジェラ・バセットや「トゥルーライズ」のジェイミー・リー・カーティスが見せた体当たりな役者根性、「バットマン」シリーズにおけるティム・バートン監督の自己との同一化思考やその後のシリーズを担当したジョエル・シューマッカー監督のホモネタ話、キム・ベイシンガーの「ゲッタウェイ」やメラニー・グリフィスの「ボーン・イエスタディ」など自らの私生活を売りにしたような映画に対するツッコミ話、ディズニー映画の裏側と作る側の遊び心を分析した話、SF映画の金字塔「スターウォーズ」における「フォース」という都合の良い言葉を利用したジョージ・ルーカスの商売のウマさ分析、「ダイハード3」がつまらなかった理由、劇場版「スパイ大作戦」こと「ミッション・インポッシブル」をTVシリーズのファンだった平野氏が観て違和感をおぼえた理由、当時1年半ぶりの主演作復帰をしたシュワルツェネッガーが突然凛々しくなった理由は実はその「空白の1年半」の間に整形していた・・・なんて推測、「JFK」などで知られるオリバー・ストーン監督の強引さについてなど様々な映画における平野氏独自のゲスい考えが炸裂しているし、10年以上前の本ながら言ってる事や邪推の仕方は今放送しているラジオで話している事と何ら変わりなくこの時代に既に平野氏の原型は完成していたのかも?と思わせる内容であるし、有名ながら興味のあるジャンルでもなかったのでこれまで観なかったような映画でも「そういう観方があるのか!」と思わせて何だか観たくなってくるような面白さを持った本でもある。
「スター・ウォーズ」の項目では当時11歳だった平野氏が通常より料金が高いも「シネラマ」という迫力の上映方式の劇場でどうしても「スターウォーズ」が見たかったため、通常料金とさほど変わりがない深夜興行に小学生でありながら行くという、劇場側の規則にしても今の社会では考えられない無茶さとかが有り得てたのが何か凄いし、平野氏の「スターウォーズ」に対する熱意とか興奮が伝わってくるような体験談は読んでいて楽しかった。
それにしても当時の映画批評は特撮を一段低いように見てたらしく、スターウォーズにも冷めた空気だったらしいが、ここまでファンをひきつけ一つの「現象」となる映画もなかなかないだろうし、そういうファンを虜にするような魅力が理解出来ないような特撮に偏見を持つ気取った批評家の目には呆れる。
逆に20周年特別編が公開された当時の雑誌は過剰なスターウォーズ・フィーバーぶりだったらしいが、平野氏の分析ではそれは自分と同じく熱狂した世代が雑誌を作る側になったからという理由らしいが、時代の価値観は変わっていくものだし、今の時代にダメ映画扱いされてる作品でも後に意外な評価を受けるものも出てくるかもしれない。
それから10年以上前の本だけあってこれから製作される映画についても書かれていたが、スピード2やウォーター・ワールドの項目では「水を使ったハリウッド映画は金がかかるわりにヒットしにくい」という彼の分析から当時製作中だった「タイタニック」についてコケるんじゃなかろうか?という心配もされていたが、実際は大ヒットだったり、シュワルツェネッガーの項目ではその後シュワが政治の世界に行くという予測は当たっていたりとか今の映画界の状況を知ってる上で読んでみても楽しめる。
また本の途中にこちらも関西ではマニアックな人気を持つラジオ番組「サイキック青年団」のパーソナリティである竹内義和氏が「ジュラシックパーク」の続編「ロストワールド」の感想を男性器に例えて語るという悪ノリな文章とか、同じくサイキック青年団に出演する北野誠の序文、「アシッド映画館」のスタッフ「ボンちゃん」と平野氏の日本映画についてのゲスな対談(一見ゲスだが結構状況の本質を言い当てていると感じさせる所がある意味凄い!)などメインとは別におバカな遊び心にも富んだ構成なのも面白かった。
他にも平野氏の本があるならまた読んでみたい♪
by lucifuge
| 2008-08-18 23:06
| 本/文学・小説