2008年 08月 26日
キサラギ |
数週前にテレビ放送していた2007年公開の映画「キサラギ」を録画してあったので見てみた。
自殺して亡くなった売れないグラビアアイドル「如月ミキ」の1周忌に集まった5人の男たち・・・彼等はそれぞれネットの如月ミキ・ファンサイトで知り合った常連であり「追悼集会」を企画して彼女の思い出話やマニアックなコレクション話などを楽しもうという事だったが、そのうちの一人が彼女は自殺ではなく他殺だという話を持ち出した事からストーリーは意外な方向に向かっていき・・・・といった内容。
ファンサイトをたちあげ、自称「如月ミキ」の1番のファンであり、数々のマニアックコレクションや彼女についての知識を持っているという公務員「家元」、礼儀にうるさく思考も堅い「オダ・ユージ」、チャラチャラして調子のいい事ばかり言っている雑貨店員「スネーク」、福島から6時間かけてやってきたものの、空気が読めず周囲の話にもついていけないようなドン臭い感じだが、自称お菓子作りが得意で農業をやっているという「安男」、見るからに挙動不審で怪しく、無職のオッサン「いちご娘」といったそれぞれのキャラクター性と妙なハンドルネームのつけ方、そして話が展開するにつれどんどん明かされていく彼等の意外な素性や真実などほとんど場面展開がされない「密室劇」でありながらここまで飽きさせず映画の世界観に夢中にさせるシナリオや演出はなかなかなものだし、何よりこれらのキャラクターを演じる俳優陣~家元→小栗旬、オダ・ユージ→ユースケ・サンタマリア、スネーク→小出恵介、安男→塚地武雅(ドランクドラゴン)、いちご娘→香川照之といった個性的な面々が面白い☆
特に小栗旬演じる家元のキャラクターが話の展開によって全く違う印象を受けたり人間の持つ表面的な部分や本音の部分などをうまく表現していた感じだし、塚地演じる安男のキャラでは彼がお笑いコンビ「ドランクドラゴン」として初期にやっていた「日本遊戯研究部」のコントの1シーンをパロディにしたような演技があったり、ユースケ演じるオダ・ユージはその名前につながるように「踊る大捜査線」ネタも登場するし、本筋のストーリーも勿論面白いがそういう遊びが感じられるのも楽しいと思う。
それに殺人の疑いがあるというサスペンス的要素とコメディ要素の絡み合いが絶妙であったり、前半のアイドルオタクたちがいかにも言いそうなリアルな会話とかマニアックな部分もあったり、ラストはちょっと感動的要素も加えるなど映画としてのバランスも良くて一つのジャンルにとどまらない面白さを持った作品に仕上がっているとも思った。
この作品は私が毎週聴いている映画紹介ラジオ番組「アシッド映画館」でも去年のリスナー投票で1位にもなっていた作品なので劇場公開時は未チェックだった私としてはずっと気になっていたのだが、実際観てみると注意して観ていれば謎が読める部分も多いながら作品の出来としてはかなり良かったし、1位になったのもわかる気もするが、こういう作品に何らかの仕掛けがあるような同系列の作品では私的には今年観た「アフタースクール」の方が仕掛けの意外性にしても見事にダマされてしまって面白かった気がする。
でもこのレベルの邦画がこれからもっと出てきてくれたら観る側としては楽しいし、邦画も流行ったドラマの映画化ばっかりせずにもっとこういうとことんシナリオに凝ったような「考え抜かれた」作品を見せて欲しいと思う。
自殺して亡くなった売れないグラビアアイドル「如月ミキ」の1周忌に集まった5人の男たち・・・彼等はそれぞれネットの如月ミキ・ファンサイトで知り合った常連であり「追悼集会」を企画して彼女の思い出話やマニアックなコレクション話などを楽しもうという事だったが、そのうちの一人が彼女は自殺ではなく他殺だという話を持ち出した事からストーリーは意外な方向に向かっていき・・・・といった内容。
ファンサイトをたちあげ、自称「如月ミキ」の1番のファンであり、数々のマニアックコレクションや彼女についての知識を持っているという公務員「家元」、礼儀にうるさく思考も堅い「オダ・ユージ」、チャラチャラして調子のいい事ばかり言っている雑貨店員「スネーク」、福島から6時間かけてやってきたものの、空気が読めず周囲の話にもついていけないようなドン臭い感じだが、自称お菓子作りが得意で農業をやっているという「安男」、見るからに挙動不審で怪しく、無職のオッサン「いちご娘」といったそれぞれのキャラクター性と妙なハンドルネームのつけ方、そして話が展開するにつれどんどん明かされていく彼等の意外な素性や真実などほとんど場面展開がされない「密室劇」でありながらここまで飽きさせず映画の世界観に夢中にさせるシナリオや演出はなかなかなものだし、何よりこれらのキャラクターを演じる俳優陣~家元→小栗旬、オダ・ユージ→ユースケ・サンタマリア、スネーク→小出恵介、安男→塚地武雅(ドランクドラゴン)、いちご娘→香川照之といった個性的な面々が面白い☆
特に小栗旬演じる家元のキャラクターが話の展開によって全く違う印象を受けたり人間の持つ表面的な部分や本音の部分などをうまく表現していた感じだし、塚地演じる安男のキャラでは彼がお笑いコンビ「ドランクドラゴン」として初期にやっていた「日本遊戯研究部」のコントの1シーンをパロディにしたような演技があったり、ユースケ演じるオダ・ユージはその名前につながるように「踊る大捜査線」ネタも登場するし、本筋のストーリーも勿論面白いがそういう遊びが感じられるのも楽しいと思う。
それに殺人の疑いがあるというサスペンス的要素とコメディ要素の絡み合いが絶妙であったり、前半のアイドルオタクたちがいかにも言いそうなリアルな会話とかマニアックな部分もあったり、ラストはちょっと感動的要素も加えるなど映画としてのバランスも良くて一つのジャンルにとどまらない面白さを持った作品に仕上がっているとも思った。
この作品は私が毎週聴いている映画紹介ラジオ番組「アシッド映画館」でも去年のリスナー投票で1位にもなっていた作品なので劇場公開時は未チェックだった私としてはずっと気になっていたのだが、実際観てみると注意して観ていれば謎が読める部分も多いながら作品の出来としてはかなり良かったし、1位になったのもわかる気もするが、こういう作品に何らかの仕掛けがあるような同系列の作品では私的には今年観た「アフタースクール」の方が仕掛けの意外性にしても見事にダマされてしまって面白かった気がする。
でもこのレベルの邦画がこれからもっと出てきてくれたら観る側としては楽しいし、邦画も流行ったドラマの映画化ばっかりせずにもっとこういうとことんシナリオに凝ったような「考え抜かれた」作品を見せて欲しいと思う。

by lucifuge
| 2008-08-26 22:25
| 映画/邦画