2008年 10月 29日
ハロウィン(ロブ・ゾンビ版) |
へヴィロック系ミュージシャンでありホラー映画監督としても「マーダーライドショー」などでその優れた才能を見せたロブ・ゾンビによる「ハロウィン」のリメイクを観た。
「ハロウィン」といえば1978年にジョン・カーペンター監督によって作られたホラー映画史に残る名作であり、「不死身の連続殺人鬼」といった後のジェイソンやフレディにつながる定番ホラーキャラクターの原型をも生み出した作品で、これをロブがどういうアレンジを加えて料理するのかと楽しみな作品だったが去年完成しアメリカ公開では好評だったのに何故かなかなか日本公開されず気になっていた作品だった。
家庭環境に恵まれず学校でもいじめられる10歳の少年マイケル・マイヤーズの心はその内部に徐々に憎悪と闇が増していき、普段は動物虐待で済んでいたのがハロウィンの日に恐ろしく変貌し、いじめっ子を撲殺した後不仲だった義理の父親、姉とその恋人を殺害する・・・・逮捕されたマイケルは精神科医ルーミスの治療を受けるが全く良くならず17年後のハロウィンの日に精神病院を脱走、彼の家族で唯一残った妹の姿を求めて殺害を繰り返していくが・・・・といったストーリー。
まずオリジナル版と違っていかにしてマイケルが殺人鬼へと変貌を遂げてしまったのか?という理由付けや怪我で動けず働かないのに家族に暴言を吐く義理の父、マイケルに冷たい姉、マイケルに優しいが家族のためストリッパーとして働く母、その事を馬鹿にする学校のいじめっ子などマイケル周辺の歪んだ環境を克明に浮き上がらせたり、マイケルの「仮面」に対する異常な執着とか、このシリーズの象徴的イメージであるブギーマンマスクの由来などこれまで描かれなかったマイケルの精神性や狂気の背景がしっかり描かれた事でキャラクター性に深みが増したように思う。
また17年後の世界での乱れた悪ガキティーンたちの生態とかいかにも80年代風ホラーな雰囲気とか恐怖シーンにしてもあえて大して過激にせず80年代風のハデでアッサリとした表現にしてるところとかロブの70年代後半から80年代にかけてのホラー映画に対する愛情も感じられるし、部屋で待つ彼女に彼氏が白い布をかぶってサングラスをかけてふざける所を殺しマイケルが同じ扮装で女の所にやってくるといったオリジナルと同じシチュエーションも使っていてオリジナル版に対するリスペクトもしっかり押さえてあったり、ロブ自身のオリジナリティとリメイクとしての外せない部分をうまく調和させた見事なホラー作品だったように思う。
外せない部分といえばジョン・カーペンター作曲による不気味な旋律が印象的な「ハロウィン」のテーマもちゃんと使われていたし、シリーズでよくかかっている「ミスター・サンドマン」という曲もあったりで嬉しい所。
劇中の使用曲に関してもロブはさすがロック・ミュージシャンらしく冒頭からKISSの「GOD OF THUNDER」やアリス・クーパーの「ONLY WOMAN BLEED」他ブルーオイスターカルトやイギー・ポップ、ミスフィッツ、ラッシュなど様々なロック系ミュージシャンの曲が使われているのもロック好きには楽しい♪
それからキャスティングでは少年時代のマイケルを演じたデーグ・フェアの何とも言えない不気味な目力を持った演技は強烈だったし、母を演じたのがロブ
の妻で「マーダーライドショー」では殺人鬼一家の妹を演じていたシェリ・ムーン、ルーミス医師には「時計仕掛けのオレンジ」で狂気に暴走する若者アレックスを演じていたマルコム・マクダウェル、町の保安官役には「チャイルド・プレイ」のチャッキーの声を担当したブラッド・ダーリフなど「マイケルよりお前等の方が危険人物だろ!」というようなホラーまみれな配役が面白かったし、他にもウド・キアやシド・ヘイグなどがチラッと出ていたりマニアックなキャスティングはホラー好きにも満足な感じ。
ロブ・ゾンビは既に次回作として「TYRANOSAURUS REX」やアニメ映画「THE HAUNTED WORLD OF SUPERBEASTO」というのを作っているらしくてこの「ハロウィン」の出来がこんなに良いのなら今度はどんな世界を見せてくれるのかと楽しみになる。
「ハロウィン」といえば1978年にジョン・カーペンター監督によって作られたホラー映画史に残る名作であり、「不死身の連続殺人鬼」といった後のジェイソンやフレディにつながる定番ホラーキャラクターの原型をも生み出した作品で、これをロブがどういうアレンジを加えて料理するのかと楽しみな作品だったが去年完成しアメリカ公開では好評だったのに何故かなかなか日本公開されず気になっていた作品だった。
家庭環境に恵まれず学校でもいじめられる10歳の少年マイケル・マイヤーズの心はその内部に徐々に憎悪と闇が増していき、普段は動物虐待で済んでいたのがハロウィンの日に恐ろしく変貌し、いじめっ子を撲殺した後不仲だった義理の父親、姉とその恋人を殺害する・・・・逮捕されたマイケルは精神科医ルーミスの治療を受けるが全く良くならず17年後のハロウィンの日に精神病院を脱走、彼の家族で唯一残った妹の姿を求めて殺害を繰り返していくが・・・・といったストーリー。
まずオリジナル版と違っていかにしてマイケルが殺人鬼へと変貌を遂げてしまったのか?という理由付けや怪我で動けず働かないのに家族に暴言を吐く義理の父、マイケルに冷たい姉、マイケルに優しいが家族のためストリッパーとして働く母、その事を馬鹿にする学校のいじめっ子などマイケル周辺の歪んだ環境を克明に浮き上がらせたり、マイケルの「仮面」に対する異常な執着とか、このシリーズの象徴的イメージであるブギーマンマスクの由来などこれまで描かれなかったマイケルの精神性や狂気の背景がしっかり描かれた事でキャラクター性に深みが増したように思う。
また17年後の世界での乱れた悪ガキティーンたちの生態とかいかにも80年代風ホラーな雰囲気とか恐怖シーンにしてもあえて大して過激にせず80年代風のハデでアッサリとした表現にしてるところとかロブの70年代後半から80年代にかけてのホラー映画に対する愛情も感じられるし、部屋で待つ彼女に彼氏が白い布をかぶってサングラスをかけてふざける所を殺しマイケルが同じ扮装で女の所にやってくるといったオリジナルと同じシチュエーションも使っていてオリジナル版に対するリスペクトもしっかり押さえてあったり、ロブ自身のオリジナリティとリメイクとしての外せない部分をうまく調和させた見事なホラー作品だったように思う。
外せない部分といえばジョン・カーペンター作曲による不気味な旋律が印象的な「ハロウィン」のテーマもちゃんと使われていたし、シリーズでよくかかっている「ミスター・サンドマン」という曲もあったりで嬉しい所。
劇中の使用曲に関してもロブはさすがロック・ミュージシャンらしく冒頭からKISSの「GOD OF THUNDER」やアリス・クーパーの「ONLY WOMAN BLEED」他ブルーオイスターカルトやイギー・ポップ、ミスフィッツ、ラッシュなど様々なロック系ミュージシャンの曲が使われているのもロック好きには楽しい♪
それからキャスティングでは少年時代のマイケルを演じたデーグ・フェアの何とも言えない不気味な目力を持った演技は強烈だったし、母を演じたのがロブ
の妻で「マーダーライドショー」では殺人鬼一家の妹を演じていたシェリ・ムーン、ルーミス医師には「時計仕掛けのオレンジ」で狂気に暴走する若者アレックスを演じていたマルコム・マクダウェル、町の保安官役には「チャイルド・プレイ」のチャッキーの声を担当したブラッド・ダーリフなど「マイケルよりお前等の方が危険人物だろ!」というようなホラーまみれな配役が面白かったし、他にもウド・キアやシド・ヘイグなどがチラッと出ていたりマニアックなキャスティングはホラー好きにも満足な感じ。
ロブ・ゾンビは既に次回作として「TYRANOSAURUS REX」やアニメ映画「THE HAUNTED WORLD OF SUPERBEASTO」というのを作っているらしくてこの「ハロウィン」の出来がこんなに良いのなら今度はどんな世界を見せてくれるのかと楽しみになる。
by lucifuge
| 2008-10-29 20:12
| 映画/洋画