彼が二度愛したS |
真面目で有能だがいまいちパッとしない孤独な会計士ジョナサンは大手法律事務所での仕事の残業中に出会ったワイアットという男と友人になる。
セレブなエリート弁護士で優雅な生活を送るワイアットとの楽しい日々の中、ある日のランチ後出張に出掛けたワイアットがジョナサンの携帯電話を間違えて持っていってしまい、ジョナサンはワイアットの携帯を使う事になるが彼の電話に「今夜は暇?」という謎の電話がかかってくる・・・それはワイアットが入っている選ばれた人間だけにアクセスが許された秘密会員クラブであり、会員同士自由に一夜の関係を結べるというものだった・・・・ワイアットの番号を使い様々な女性と楽しんだジョナサンはある時呼び出した女性が偶然にも前に地下鉄で出会い気になっていた女性であり、ジョナサンは彼女に本気になっていくが二人が結ばれようとした直前に血痕とともに女性は姿を消し、ジョナサンは殴られ気を失ってしまう。
その後ワイアットと連絡がつかなくなり、弁護士事務所に問い合わせるとそんな弁護士はいないと言われ、ワイアットの自宅だったはずの家は他人の家でありジョナサンは混乱していくが・・・・といった内容。
会員制秘密クラブというミステリアスでセクシーな要素や自分がそれまで信じていた事実がどんどん崩れていく展開は好きな感じだったし、孤独で弱そうな男が事件によってだんだんと変わっていく様子も人間ドラマとして面白い。
まあある程度この映画のカラクリがわかってからの展開は予想の範疇を出る事はなかったながら、謎が解けても場面場面としてサスペンスを盛り上げるシーンは色々あったし、なかなかハラハラさせてくれて楽しめた。
この映画における悪役ワイアットは相手の心理を操り、翻弄する事で利を得ようとしたが、人間の心の本当の深い部分が読めなかったために破滅したという皮肉さなどキャラクターとしても結構魅力的だったし、それを演じたヒュー・ジャックマンはこれまで正義のイメージが強いながら最近は「プレステージ」や「タロットカード殺人事件」など悪の要素のある役も演じていたりで悪役も板についてきた感じ。
またユアン・マクレガー演じるジョナサンの変化していくキャラクターの面白さも良かったし、共演陣にしても「エンゼルハート」のシャーロット・ランプリングや「スピーシーズ」のナターシャ・ヘンストリッジなど意外な女優が出ていたのにもホラー系好きには嬉しいキャスティングだった。
