2008年 12月 07日
東京伝説 うごめく街の怖い話 |
平山夢明氏の著作「東京伝説 うごめく街の怖い話」を読んだ。
平山氏が心霊的な「怖い話」を集める中で「心霊ではない」が怖い体験をしたという話も多く聞く事になり、そういう人間世界の恐怖話をまとめたのがこの本なのだが、とにかく「実話」と考えるとどれも恐ろしく、マトモな人間なら考えられないようなイカれた思考を持った人間の狂気の行動、表社会の常識など無意味でしかない「裏」の世界に関わってしまった恐怖など、この本に登場する恐怖の対象は「人間」の姿をしているが我々の考える「人間」とは全く別物な「怪物」である気がする・・・。
収録エピソードとしては「素振り」や「地下病院」、「家庭教師」、「親切」、「祟り場」、「サイコごっこ」、「「ビー玉」など以前これを原作にしたコンビニ漫画「狂気なやつら」で読んだものも多くあったが、文章で改めて読むと想像がより広がるだけにさらに怖い!
特に「東京プリティウーマン」での事件経過の描写はスプラッターホラー映画を観るような衝撃だったし、実際こういう報道されない事件も沢山あるというのも不気味な気がする。
「婚約者」はそのまま映画にも出来そうなサスペンスな展開ながら実際にこういうオカシイ奴が存在していてその狂気にさらされて生きている人がいると思うといたたまれない・・・。
「代償」はこんなに当事者たちにとって残酷で不幸な事故があったと思うと因果を感じさせる話だったし、「ホテル」は獲物を得るためには本当に手段を選ばない卑劣な犯罪者のリアルなやり口がゾっとする。
「ヒメバン」は実在する歌姫の奇行を描いた話だったが一体誰の事なんだろう・・・?芸能界で売れる事は同時にその異常な忙しさの中で発生する狂気もはらんでおり、それは本人だけでなく周囲にも影響を及ぼしていくという現象はマトモな精神では到底やっていけない世界という事なのだろうか?
最後に載っていた「フラスコ」も情景描写的に凄くおぞましい話で強烈だったが、「命」というものを軽く見ていた当事者たちや周囲の家族などに対して悲惨な罰が下ったような話でもある気がする。
それにしてもラーメン好きな私からして怖かったのが「終末ラーメン」の話。
その店の味に惹かれよく食べにくる常連が次々死んでいくラーメンって・・・
そういう人間の身体を壊すような化学調味料漬けのヒステリックな味じゃないと東京ではやっていけないという現実や客自身が「毒」じゃないと「うまい」と覚えて貰えないという環境としての「狂気」を感じさせる話はじわじわと怖かった。
私はあまり小説は読まないのだが、こういう数ページずつの短い話が次々と載っている構成は非常に読みやすかったし1話読めば今度はどんな話があるのかとまた次が読みたくなってあっという間に読んでしまった。
実を言うとすぐ同シリーズの「狂える街の怖い話」も入手したので「毒ラーメン」ではないがある意味私はこの「東京伝説」の中毒になったかも?
平山氏が心霊的な「怖い話」を集める中で「心霊ではない」が怖い体験をしたという話も多く聞く事になり、そういう人間世界の恐怖話をまとめたのがこの本なのだが、とにかく「実話」と考えるとどれも恐ろしく、マトモな人間なら考えられないようなイカれた思考を持った人間の狂気の行動、表社会の常識など無意味でしかない「裏」の世界に関わってしまった恐怖など、この本に登場する恐怖の対象は「人間」の姿をしているが我々の考える「人間」とは全く別物な「怪物」である気がする・・・。
収録エピソードとしては「素振り」や「地下病院」、「家庭教師」、「親切」、「祟り場」、「サイコごっこ」、「「ビー玉」など以前これを原作にしたコンビニ漫画「狂気なやつら」で読んだものも多くあったが、文章で改めて読むと想像がより広がるだけにさらに怖い!
特に「東京プリティウーマン」での事件経過の描写はスプラッターホラー映画を観るような衝撃だったし、実際こういう報道されない事件も沢山あるというのも不気味な気がする。
「婚約者」はそのまま映画にも出来そうなサスペンスな展開ながら実際にこういうオカシイ奴が存在していてその狂気にさらされて生きている人がいると思うといたたまれない・・・。
「代償」はこんなに当事者たちにとって残酷で不幸な事故があったと思うと因果を感じさせる話だったし、「ホテル」は獲物を得るためには本当に手段を選ばない卑劣な犯罪者のリアルなやり口がゾっとする。
「ヒメバン」は実在する歌姫の奇行を描いた話だったが一体誰の事なんだろう・・・?芸能界で売れる事は同時にその異常な忙しさの中で発生する狂気もはらんでおり、それは本人だけでなく周囲にも影響を及ぼしていくという現象はマトモな精神では到底やっていけない世界という事なのだろうか?
最後に載っていた「フラスコ」も情景描写的に凄くおぞましい話で強烈だったが、「命」というものを軽く見ていた当事者たちや周囲の家族などに対して悲惨な罰が下ったような話でもある気がする。
それにしてもラーメン好きな私からして怖かったのが「終末ラーメン」の話。
その店の味に惹かれよく食べにくる常連が次々死んでいくラーメンって・・・
そういう人間の身体を壊すような化学調味料漬けのヒステリックな味じゃないと東京ではやっていけないという現実や客自身が「毒」じゃないと「うまい」と覚えて貰えないという環境としての「狂気」を感じさせる話はじわじわと怖かった。
私はあまり小説は読まないのだが、こういう数ページずつの短い話が次々と載っている構成は非常に読みやすかったし1話読めば今度はどんな話があるのかとまた次が読みたくなってあっという間に読んでしまった。
実を言うとすぐ同シリーズの「狂える街の怖い話」も入手したので「毒ラーメン」ではないがある意味私はこの「東京伝説」の中毒になったかも?
by lucifuge
| 2008-12-07 21:03
| 本/文学・小説