ミラーズ |
元刑事のベンは新たな仕事としてかって大火事で大量の死者を出したが裁判中のため当時のまま現場が取り残されているデパートの夜の警備をする事になるが、デパート内にある異様な鏡に関わった事から彼の周辺で不可解な現象が起こり始める・・・・・といったストーリー。
同僚を誤射で死なせてしまったショックから立ち直れず、妻とも別居中で会ってもわだかまりがある状態という鬱々としたベンの不安定な精神状態やその心の闇の部分に忍び込んでくるような鏡に棲む「何か」の存在、最初は怪奇現象を信じずベンの精神状態が狂っていっていると警戒する妻、反面家族を愛し、何とか鏡の魔の手から必死に守ろうとするベンの姿などホラーであるとともに、家族のドラマとしての側面があったり、かってベンの前任者だった警備員の変死やデパート火災の原因となった放火をした男の話、さらにデパートが建つ以前に存在していた病院とそこであった悲惨な事件、謎の言葉「エシィカー」・・・などミステリアスな要素や謎解きとしての面白さもあったりで内容的に充実しており、なかなか楽しめる。
勿論ホラー映画としてもさすが「ヒルズ・ハブ・アイズ」のアレクサンドル・アジャ監督だけあってオープニングからいきなりドギツいシーンが登場したり、ベンの妹の悲惨な死に方、火事被害者のグロテスクな幽霊とかヴィジュアル的にもなかなか強烈な上、突然動く動物などの音で脅かしたり古典的な怖がらせ手法とか、「鏡」をキーポイントにしているので様々なシチュエーションでの鏡の恐ろしい見せ方とか、後半は元が韓国映画ながら「エクソシスト」や「エミリー・ローズ」を思わせる純オカルト系映画を思わせる雰囲気もあったりと恐怖の見せ方的には色んなパターンで楽しめたり、ラストもCMでは「予想がつかない」とか宣伝していたので、私的には観ながら多分鏡の中のモノに勝ったと思いきや、実はベンに取り憑いていて家族を全員殺害とかエグイ事するのかな~?とか思っていたのだが、そういうのとは全く違う「ホラー」というよりはトワイライトゾーンを思わせるような「怪奇」的なラストが用意されていたのも良い裏切り方で面白かったと思う。
ただ、主演がキーファーなので困難な状況の中必死であがいていたり、強引に情報を聞き出そうとするシーンなんかを観てたらどうしても「24」のジャック・バウアー役を連想してしまって、「このシーンでいきなり大統領に電話とかしたらどうしよう?」とか勝手な想像も膨らんでしまって一部笑いそうになってしまったが・・・・。