劇場版 BLEACH ブリーチ Fade to Black 君の名を呼ぶ

「週刊少年ジャンプ」で連載中の久保帯人原作の漫画「BLEACH　ブリーチ」の映画化作品第3弾である「劇場版 BLEACH ブリーチ Fade to Black 君の名を呼ぶ」を観た。
原作の設定としてはあるきっかけで死神である朽木ルキアから「死神の力」を分け与えられ自らも「死神代行」として生きる事になった高校生・黒崎一護と彼に関わる尸魂界（ソウル・ソサエティ）の様々な死神たち、それに対する人間の魂を食う悪霊である虚（ホロウ）との戦いを中心に描いたバトル･アクションストーリーという感じだが、これまでの原作のストーリーを踏まえて劇場版はオリジナルなストーリーを展開しており、今回は尸魂界の中心である瀞霊廷が謎の霊子爆発を起こし約3分の1が崩壊、知らせを聞いた一護は尸魂界に行くも、自分を知っている死神たちは彼の記憶を失っており、逆に瀞霊廷崩壊の犯人として疑われ､追われる事になるが、死神たちは一護の記憶だけでなくルキアの事まで覚えておらず、一護はルキアを探しにいく・・・・しかしそこには謎の姉弟の存在とルキアの過去が関わっているのだった・・・・といった感じの内容。
一護が仲間であったはずの死神たちから疑われ、護廷十三隊の連中と戦うという状況と護廷十三隊の隊長や副隊長格の必殺技的シーンとか多少の見せ場はあるが、一護は今発揮できる最大の力である「バイザード」として戦うシーンは何故かほとんどないし、本来の原因を作った姉弟との戦いや姉弟によって「ダークルキア｣と化したルキアとの戦いも見せ方がマズいのか思ったほど盛り上がらないし、姉弟もいかにも悪役というわけではなくある意味純粋な悲しく歪んだ存在なので、これまでのブリーチの敵役とはちょっと違った方向性のキャラクター付けとか｢全ての記憶はつながっている」という考え方などは面白いながら、多くのキャラクターが活躍しそうで使い切れていない半端な印象の、映画館の大画面で見るにはダイナミックさに欠ける作品だった気がする。
まあキャラクターとしてはこれまでの劇場版ではほとんど出番がなかった改造魂魄の入ったぬいぐるみであるコンがちょっと活躍していたのは面白かったし、普段は現世にいる元十二番隊の浦原喜助が隊長時の装いで戦っているシーンなどは劇場版ならではだったかも。
シリーズ的には去年観た劇場版の前作「劇場版ブリーチ　ＴｈｅＤｉａｍｏｎｄＤｕｓｔＲｅｂｅｌｌｉｏｎ　もう一つの氷輪丸」の方が面白かったと思う。