2009年 01月 18日
チェ 28歳の革命 |
「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ監督がベニチオ・デル・トロ主演で撮った映画「チェ 28歳の革命」を観た。
この映画は1960年代に実在した革命の闘士の象徴的存在である「チェ・ゲバラ」の人生を2部作として作ったうちの第1部であるが、この第1部ではゲバラがフィデル・カストロと共にいかに「キューバ革命」を成し遂げていったかまでを描いている。
1955年、中南米の独裁国家に対するアメリカの支援はアメリカに多くの利益が渡る構造になっており、そのせいで多くの民衆が貧困にあえいでいた・・・・キューバのバティスタ政権もそのひとつであり、政権打倒を目指すフィデル・カストロに会ったアルゼンチン出身の医師だったチェ・ゲバラはその戦いに参加する事になる・・・といったストーリー。
アルゼンチン出身という事で革命ゲリラ内部に彼を認めない人間がいる中、自らの強固な意志を貫き、その力を示していくゲバラの人間としての姿はベニチオの熱演もあって強烈に印象に残るし、私はゲバラたちが信じていた「共産主義」についてはその後ソ連が破綻し今の中国のおかしな状況など考えたら共感は出来ないが、思想は別にして貧困から人々を救いたいというゲバラの強い信念には伝わってくるものも感じる。
まあ今の日本でいう「不況や貧困」とは比べ物にならないようなこの当時のキューバの悲惨な貧困状況なら共産主義や革命というのは大きな意味があったと思うし、カストロをはじめそういう世界を変えようとした人間たちのドラマは実際の事だけに説得力があるし、その当時アメリカが中南米諸国に行なっていた前世紀の帝国植民地主義のような搾取構造は酷いとしか言いようがない・・・というか今でも軍産複合体国家であるアメリカはこういう事を国を変えてやっていそうだが。
またゲリラの描写にしてもみんながみんな信念の戦いをしている感じでもなく革命の名のもとに農民たちに対して略奪や強姦などを行なっていた一部の脱走兵とか厳しい戦いについていけない連中の描写などあんまり史実を美化せず当時の状況をリアルに描こうとしているのは良かったと思う。
映画の構成としては1964年にゲバラが受けたインタビューや国連総会での演説などを50年代の戦いと実際の映像も使ったり様々にシーンを交えながら展開していく見せ方はソダーバーグ流のうまさを感じるし、極端なクローズアップでの見せ方などは結構インパクトがある。
しかしながらちょっと淡々とした雰囲気で展開していくので全体的にはあんまりワクワク感のない映画というか少々退屈に感じる部分もある作品だった。
映画は革命の成功のところで終わってるが、予告を観た感じこれに続く第2部の方が話がドラマティックに動いていきそうで面白そうだし、第2部ではゲバラの死を描くところからして以前観たドキュメンタリー映画「敵こそ我が友」の主人公である元ナチス親衛隊員でCIAでも活動していた戦犯クラウス・バルビイなんかの存在が関わってきたり(バルビイはゲバラ暗殺作戦に関わったらしい)、今回の革命メインの作品よりはサスペンス要素もありそうで楽しめるかも?
この映画は1960年代に実在した革命の闘士の象徴的存在である「チェ・ゲバラ」の人生を2部作として作ったうちの第1部であるが、この第1部ではゲバラがフィデル・カストロと共にいかに「キューバ革命」を成し遂げていったかまでを描いている。
1955年、中南米の独裁国家に対するアメリカの支援はアメリカに多くの利益が渡る構造になっており、そのせいで多くの民衆が貧困にあえいでいた・・・・キューバのバティスタ政権もそのひとつであり、政権打倒を目指すフィデル・カストロに会ったアルゼンチン出身の医師だったチェ・ゲバラはその戦いに参加する事になる・・・といったストーリー。
アルゼンチン出身という事で革命ゲリラ内部に彼を認めない人間がいる中、自らの強固な意志を貫き、その力を示していくゲバラの人間としての姿はベニチオの熱演もあって強烈に印象に残るし、私はゲバラたちが信じていた「共産主義」についてはその後ソ連が破綻し今の中国のおかしな状況など考えたら共感は出来ないが、思想は別にして貧困から人々を救いたいというゲバラの強い信念には伝わってくるものも感じる。
まあ今の日本でいう「不況や貧困」とは比べ物にならないようなこの当時のキューバの悲惨な貧困状況なら共産主義や革命というのは大きな意味があったと思うし、カストロをはじめそういう世界を変えようとした人間たちのドラマは実際の事だけに説得力があるし、その当時アメリカが中南米諸国に行なっていた前世紀の帝国植民地主義のような搾取構造は酷いとしか言いようがない・・・というか今でも軍産複合体国家であるアメリカはこういう事を国を変えてやっていそうだが。
またゲリラの描写にしてもみんながみんな信念の戦いをしている感じでもなく革命の名のもとに農民たちに対して略奪や強姦などを行なっていた一部の脱走兵とか厳しい戦いについていけない連中の描写などあんまり史実を美化せず当時の状況をリアルに描こうとしているのは良かったと思う。
映画の構成としては1964年にゲバラが受けたインタビューや国連総会での演説などを50年代の戦いと実際の映像も使ったり様々にシーンを交えながら展開していく見せ方はソダーバーグ流のうまさを感じるし、極端なクローズアップでの見せ方などは結構インパクトがある。
しかしながらちょっと淡々とした雰囲気で展開していくので全体的にはあんまりワクワク感のない映画というか少々退屈に感じる部分もある作品だった。
映画は革命の成功のところで終わってるが、予告を観た感じこれに続く第2部の方が話がドラマティックに動いていきそうで面白そうだし、第2部ではゲバラの死を描くところからして以前観たドキュメンタリー映画「敵こそ我が友」の主人公である元ナチス親衛隊員でCIAでも活動していた戦犯クラウス・バルビイなんかの存在が関わってきたり(バルビイはゲバラ暗殺作戦に関わったらしい)、今回の革命メインの作品よりはサスペンス要素もありそうで楽しめるかも?

by lucifuge
| 2009-01-18 20:42
| 映画/洋画