HELLS ANGELS vol.1 |
ヒロモト森一氏といえばギンティ小林氏の「新耳袋殴り込み」シリーズの挿絵イラストを担当し、突撃メンバーとしても登場する人物であるが、本の中で描写される人物像としてはワガママを連発する結構タチが悪くてちょっと怖いような無茶な人物って印象でそういう人が一体どんな漫画を描いてるのかと興味があった。
女子高生のりんねは転校初日の通学途中、車から黒猫を助けた後事故に遭ってしまい・・・・しかし当のりんねは自らが事故に遭った事に気付かず自らをとりまく世界が変わった事にも気付かずそのまま学校に行くが、そこは異様なクラスメイトや先生が存在し、ヘルヴィス学園長の支配する地獄の学校「デスティニ-・ランド」であった・・・・・といったストーリー。
単純でわかりやすい設定ながら豪快でダイナミックに読ませていく展開は凄く面白く次々先が読みたくなるし、土壇場に強いりんねや無口ながら実は強いスティーラ、生徒会長の九龍、世界で最初の殺人者というヘルヴィス学園長、謎の黒猫といった個性的なキャラクターたちが魅力的である。
また韮澤靖がデザインしたモンスター系のキャラクターたちもギーガ-やヘルレイザーを連想させるようなクールさでヴィジュアル的に格好良く好みだったり(クラスメイトの一人ファントマは「ベルセルク」のフェムトっぽい)、他には「デビルマン」を感じさせるダークな雰囲気とかストーリー中で九龍がテニスをしているシーンなんかにしても「テニスの王子様」の手塚そのままだったりとパロディっぽい楽しみ方も出来る。
それからヒロモト氏の絵柄はアメコミ的スタイルを活かした独特な画風で迫力があるし、カラーページにしてもアート的な面白さがあったり「絵」だけでも十分楽しめるものに仕上がってるし、こういうのを見ると漫画の表現方法というものが日々進化し続けてる「生きたアート」のように思わせる。
私は「地獄」というものに対して自分の作品テーマにしたりとちょっとしたこだわりがあるのだが、そもそも「地獄」というものについて強いインパクトを受けたのが映画「ヘルレイザー」であり、監督であり原作者のクライヴ・バーカーが創り上げた地獄世界はそれまで私が持っていた地獄のイメージとはまた違うオリジナリティ溢れるもので驚かされた。
そういった「地獄」の表現や世界観についてはこの「HELLS ANGELS」の独特さもかなり新鮮で衝撃的だったし、読んでいてダークな楽しさを存分に体験出来る1冊だった☆
続巻も入手して早く読んでみたい!
