2009年 02月 23日
フェイクシティ ある男のルール |
キアヌ・リーブス主演の映画「フェイクシティ ある男のルール」を観た。
ロス市警のトム・ラドロー刑事は事件解決のためには違法的な行為も平気で行い、有無をいわさず容疑者を殺し、差別発言もするような人物。
その強引で手段を選ばないやり方には警察内部からも非難の声があるが、彼のチームのボスであるワンダーは彼の手腕を気に入りいつも守ってくれる中、ある少女誘拐事件の解決をいつものやり方で解決したトムに対して内部調査班のビッグスが彼に目をつけ始める・・・ビッグスはかってトムの相棒だったが仲が悪くなり対立しているワシントンと最近交流があり、ワシントンが自分の違法捜査を密告したと思ったトムは彼を尾行中コンビニで武装強盗に遭遇、ワシントンは無残に射殺されてしまい、トムが現場にいた事が状況的に強盗を雇って密告者を殺させたと疑われる恐れがあるためワンダーらはその事実を隠蔽してしまう・・・・しかし事件の真実を突き止めようとトムが動き出した時事件は意外な方向に展開し・・・といった内容。
ストーリーと脚本は「L.A.コンフィデンシャル」や「ブラックダリア」の原作で知られるジェームズ・エルロイだが、これまでロサンゼルスの暗黒世界を描き続けてきたエルロイ的世界観や美学が実によく表現された作品になっていたと思う。
私的にはエルロイの映画化作品でベストなのは「L.A.コンフィデンシャル」であるが、大きく宣伝され話題にもなった「ブラックダリア」が期待外れな出来だったのもあって今度はどうだろうと思っていたら「L.A.~」に負けないくらいの良い出来で己のルールで正義を貫く型破りな主人公の姿は「ダーティハリー」を思わせるキャラながら、複雑に歪んで狂気すら感じる異様さで凄いインパクトだったし、主人公を取り巻く様々な状況の中、何が真実で何が嘘か?誰が信用できて誰が信用できないか?といった自らの常識が通用しないまさに悪夢のような状況、違法捜査という弱みがある主人公自身の宙ぶらりんな気持ち悪さを感じるような不安定な状況など観ていて安心出来ない緊迫感とか凄いサスペンス感で目を離せない面白さがあった。
また犯罪者同士の会話や警察同士の会話など台詞のひとつひとつにもリアリティがあるというか、さすが10代後半から20代にかけてアル中や犯罪者同然の生活を送っていたというキャリアを持つエルロイならではの説得力のある台詞の表現はこの暗黒的犯罪世界の現実感を盛り上げるものだった。
それに冒頭からトイレにゲロを吐くわ酒飲みながら普通に車運転してるわで警官でありながら無茶苦茶な生活をしているトムの描写など非常に強烈で、地獄のような犯罪世界を戦うには綺麗事の正義だけでは通用しないという事をキャラクター作りからして徹底させていたし、警察内部の登場人物たちにしてももはやこの映画の中ではどっちが正義でどっちが悪かわからなくなるようなドロドロの混沌さにまみれていたのが最近のスタイリッシュな格好よさばかり求めてる感じの刑事モノの映画にはないダークさで良かった。
出演者に関してはトムを演じたキアヌ・リーブスは最近の「地球が静止する日」がガッカリな出来だったが、この作品では複雑な心理状況の主人公を見事に演じていたし、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でアミン大統領を演じたフォレスト・ウィテカーがワンダー警部役として出ていたり、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで占い師ティア・ダルマを演じたナオミ・ハリスがワシントンの妻役で出ていたりマニアック好みなキャスティングも面白かった。
とりあえずは今年観た作品の中で特に良かった中の1本になると思う。
ロス市警のトム・ラドロー刑事は事件解決のためには違法的な行為も平気で行い、有無をいわさず容疑者を殺し、差別発言もするような人物。
その強引で手段を選ばないやり方には警察内部からも非難の声があるが、彼のチームのボスであるワンダーは彼の手腕を気に入りいつも守ってくれる中、ある少女誘拐事件の解決をいつものやり方で解決したトムに対して内部調査班のビッグスが彼に目をつけ始める・・・ビッグスはかってトムの相棒だったが仲が悪くなり対立しているワシントンと最近交流があり、ワシントンが自分の違法捜査を密告したと思ったトムは彼を尾行中コンビニで武装強盗に遭遇、ワシントンは無残に射殺されてしまい、トムが現場にいた事が状況的に強盗を雇って密告者を殺させたと疑われる恐れがあるためワンダーらはその事実を隠蔽してしまう・・・・しかし事件の真実を突き止めようとトムが動き出した時事件は意外な方向に展開し・・・といった内容。
ストーリーと脚本は「L.A.コンフィデンシャル」や「ブラックダリア」の原作で知られるジェームズ・エルロイだが、これまでロサンゼルスの暗黒世界を描き続けてきたエルロイ的世界観や美学が実によく表現された作品になっていたと思う。
私的にはエルロイの映画化作品でベストなのは「L.A.コンフィデンシャル」であるが、大きく宣伝され話題にもなった「ブラックダリア」が期待外れな出来だったのもあって今度はどうだろうと思っていたら「L.A.~」に負けないくらいの良い出来で己のルールで正義を貫く型破りな主人公の姿は「ダーティハリー」を思わせるキャラながら、複雑に歪んで狂気すら感じる異様さで凄いインパクトだったし、主人公を取り巻く様々な状況の中、何が真実で何が嘘か?誰が信用できて誰が信用できないか?といった自らの常識が通用しないまさに悪夢のような状況、違法捜査という弱みがある主人公自身の宙ぶらりんな気持ち悪さを感じるような不安定な状況など観ていて安心出来ない緊迫感とか凄いサスペンス感で目を離せない面白さがあった。
また犯罪者同士の会話や警察同士の会話など台詞のひとつひとつにもリアリティがあるというか、さすが10代後半から20代にかけてアル中や犯罪者同然の生活を送っていたというキャリアを持つエルロイならではの説得力のある台詞の表現はこの暗黒的犯罪世界の現実感を盛り上げるものだった。
それに冒頭からトイレにゲロを吐くわ酒飲みながら普通に車運転してるわで警官でありながら無茶苦茶な生活をしているトムの描写など非常に強烈で、地獄のような犯罪世界を戦うには綺麗事の正義だけでは通用しないという事をキャラクター作りからして徹底させていたし、警察内部の登場人物たちにしてももはやこの映画の中ではどっちが正義でどっちが悪かわからなくなるようなドロドロの混沌さにまみれていたのが最近のスタイリッシュな格好よさばかり求めてる感じの刑事モノの映画にはないダークさで良かった。
出演者に関してはトムを演じたキアヌ・リーブスは最近の「地球が静止する日」がガッカリな出来だったが、この作品では複雑な心理状況の主人公を見事に演じていたし、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でアミン大統領を演じたフォレスト・ウィテカーがワンダー警部役として出ていたり、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで占い師ティア・ダルマを演じたナオミ・ハリスがワシントンの妻役で出ていたりマニアック好みなキャスティングも面白かった。
とりあえずは今年観た作品の中で特に良かった中の1本になると思う。
by lucifuge
| 2009-02-23 22:22
| 映画/洋画