映画秘宝 2009年4月号 |
「映画秘宝」といえば低予算ホラーやアクション、お色気系などのB級映画やハリウッドの失敗談や裏話的な記事を中心に「男性向けな映画雑誌」を目指した作りで一時オシャレ系ばかりでつまらなくなっていた映画雑誌界に一石を投じた存在であるが、最近は立ち読みばかりでじっくり読んでなかったので久しぶりに買ってみた。
今号の記事としては「ウォッチメン」や「ターミネ-ター4」などの最新映画に関する情報から三池崇史監督の実写版「ヤッターマン」、警察の鑑識官でありながら殺人鬼という妙な設定の海外ドラマ「デクスター」の特集、来月公開されるヴァンパイアと人狼の戦いを描いた「アンダーワールド」シリーズ最新作「アンダーワールド:ビギンズ」にちなんで映画におけるヴァンパイア、人狼、フランケンシュタインという3大モンスター映画について考察した特集「モンスター総進撃」、ヒトラー暗殺事件を描いたトム・クルーズ主演の「ワルキューレ」とタランティーノの最新作「イングロリアス・バスターズ」に絡めたナチス映画特集、リメイク版「13日の金曜日」、「サスペリア・テルザ」、「激情版エリートヤンキー三郎」などについての記事、「戦前の猟奇異常犯罪映画一覧」、東映「女番長シリーズ」のすべて、アンソニー・ウォンや白石晃士監督、加護亜依へのインタビューなど昔と全く変わりない濃く強烈な内容で安心した(笑)
最新の洋画では「ウォッチメン」や「イングロリアス・バスターズ」が特に面白そうだし、ホラー好きとしては「アンダーワールド:ビギンズ」や「サスペリア・テルザ」も見逃せない所。
また「デクスター」はこれまでのサスペンス系の海外ドラマとは設定がかなり異様な事になってるのが気になるし、このドラマのヒットで今後はこういう主人公ながら悪の要素を持つキャラクターのシリーズがもっと出てくるかも?とか思った。
またインタビューとしては好きな映画である「ノロイ」の白石監督の記事が凄く興味深くて、彼の最新作「グロテスク」や「オカルト」といった作品が文中紹介もされていて観たくなったが、何故か地元の映画館では今の所やってくれる予定がない感じで残念・・・それからアンソニー・ウォンのインタビューだが・・・「インファナル・アフェア」の名優ながら読んでいて「このオッサン、ちょっとオカシイ?」って思わせる奇妙さが笑ってしまった。
俳優って実際こういう変な人って多いのだろうか?
それから「モンスター総進撃」ではフランケンシュタインのコーナーで私が今年観た映画で特に良かった「ヘルボーイ2」のギレルモ・デル・トロのインタビューが載っており、何と彼なりの全く新しい「フランケンシュタイン」と「ジキル博士とハイド氏」の映画の構想があるって話は今からどんなものが出来るのか期待させるし是非実現させてほしい!
「女番長」シリーズの記事では当時の東映のエネルギーを感じさせる破天荒な映画作りのエピソードが面白かったり、後半に載ってる新作映画やDVDレビューにしてもライター陣の書き方が本当に独特というか、おかしい部分やつまらない部分には酷いくらい毒舌なのと面白い所はとことん面白いと書くスタイルはまさに「映画秘宝」ならでは!
特に「日本映画縛り首」のコーナーの毒舌さは凄くて、私も(タダで)観に行った「感染列島」については(確かにツッこむ部分は多い映画だったが)無茶苦茶ながら実際マトを得た事を言ってるので納得出来たり、読者の投稿コーナーでの高橋ヨシキ氏の回答もいい加減なようでツボをしっかり突いてる感じだったり本当に雑誌の隅々まで楽しめる♪
久しぶりにちゃんと読んでみたがやっぱり「映画秘宝」は私の趣味ド真中な映画について見せてくれる面白さ満載の雑誌だった☆
