2009年 03月 13日
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 |
F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を原作にデビッド・フィンチャーが監督、ブラッド・ピット主演で映画化された「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を観た。
第一次世界大戦末期、1918年のニューオリンズで生まれた赤ん坊は何と老人の身体をしており、その姿にショックを受けた父親は老人施設に彼を捨て去っていく・・・施設で働く黒人女性クイニーによって「ベンジャミン」と名付けられ、育てられる事になった彼はその姿からすぐ死んでしまうものと思われていたが、何と彼は年を重ねるごとに若返っていくという身体を持った人間だった・・・・というような内容。
この映画の基本設定としては老人として生まれた人間が若返りながら一体どんな人生を歩んでいくのか?という、普通の人間とは肉体的に時間を逆行しているという奇妙な面白さと、そんな彼が人生において出会う様々な人々との出会いや別れ、関わりがとても深く丁寧に描かれており、ファンタスティックな要素を持ちながらも人間ドラマとして秀逸な作品に仕上がっている。
ベンジャミンにとっての運命的な女性デイジー、育ての母クイニー、一度は捨てながらも彼を気にする父親、船乗りのマイク、ロシアで恋に落ちた人妻エリザベスなどベンジャミンという特殊な存在を通してそれぞれの人間が人生を変えていったり、逆にベンジャミンが大きな影響を受けたりと「人生とは出遭い」によって大きく変わっていくという事を感じさせたり、色んな偶然が折り重なった末にデイジーが事故に遭ったというシーンのこだわった見せ方にしても一見タダの事故には様々な要因が隠されてるものだという事や、世の中に生きる人間達のちょっとしたきっかけによっても運命が変わってしまったという不思議さ、では運命とは?人生とは?と「人間」が「生きるという事」、「死ぬという事」について色々考えさせる作品でもあった。
監督のデビッド・フィンチャーは「エイリアン3」や「セブン」など映像に独特のこだわりをもつ人であるが、今回はいかにもそういう独特なセンスを映像として見せていた感じではなかったながら、オープニングのパラマウントやワーナー映画のシンボルマークが何故「ボタン」によって構成されているのかと思っていたらベンジャミンの父親がボタン工場で成功したという設定だったり、物語の所々に象徴的に登場するハチドリ、自分に7回落雷したという話を語る老人のサイレント映画の1シーンのような再現映像、20世紀初頭のアメリカの空気までを再現したような見事な雰囲気、第二次世界大戦中の迫力の戦闘シーンなど派手ではないながら映像的面白さも必要に応じてじっくりと表現した感じだったと思う。
それからベンジャミンはインディアンやトライアンフ、エンフィールドなど
後半よくバイクに乗ってるシーンが登場するのだが、こういうシーンはストーリーの脈絡関係なしにバイク好きにとっては嬉しい所。
私は基本的にはミステリーやホラーなどダーク系の作品が好きだし、この映画にもファンタスティックな要素はありながら基本ラブストーリー的な話だと思ってたので観る前は大して期待もせず、「一応あのデビッド・フィンチャーが撮ったんだからどんな作品になってるかチェックしておこう」程度に思っていたのだが、実際観てみると3時間近い上映時間があっという間だったし、作品として心に残るというだけでなく娯楽作品としても面白くて意外に満足がいく作品だった。
第一次世界大戦末期、1918年のニューオリンズで生まれた赤ん坊は何と老人の身体をしており、その姿にショックを受けた父親は老人施設に彼を捨て去っていく・・・施設で働く黒人女性クイニーによって「ベンジャミン」と名付けられ、育てられる事になった彼はその姿からすぐ死んでしまうものと思われていたが、何と彼は年を重ねるごとに若返っていくという身体を持った人間だった・・・・というような内容。
この映画の基本設定としては老人として生まれた人間が若返りながら一体どんな人生を歩んでいくのか?という、普通の人間とは肉体的に時間を逆行しているという奇妙な面白さと、そんな彼が人生において出会う様々な人々との出会いや別れ、関わりがとても深く丁寧に描かれており、ファンタスティックな要素を持ちながらも人間ドラマとして秀逸な作品に仕上がっている。
ベンジャミンにとっての運命的な女性デイジー、育ての母クイニー、一度は捨てながらも彼を気にする父親、船乗りのマイク、ロシアで恋に落ちた人妻エリザベスなどベンジャミンという特殊な存在を通してそれぞれの人間が人生を変えていったり、逆にベンジャミンが大きな影響を受けたりと「人生とは出遭い」によって大きく変わっていくという事を感じさせたり、色んな偶然が折り重なった末にデイジーが事故に遭ったというシーンのこだわった見せ方にしても一見タダの事故には様々な要因が隠されてるものだという事や、世の中に生きる人間達のちょっとしたきっかけによっても運命が変わってしまったという不思議さ、では運命とは?人生とは?と「人間」が「生きるという事」、「死ぬという事」について色々考えさせる作品でもあった。
監督のデビッド・フィンチャーは「エイリアン3」や「セブン」など映像に独特のこだわりをもつ人であるが、今回はいかにもそういう独特なセンスを映像として見せていた感じではなかったながら、オープニングのパラマウントやワーナー映画のシンボルマークが何故「ボタン」によって構成されているのかと思っていたらベンジャミンの父親がボタン工場で成功したという設定だったり、物語の所々に象徴的に登場するハチドリ、自分に7回落雷したという話を語る老人のサイレント映画の1シーンのような再現映像、20世紀初頭のアメリカの空気までを再現したような見事な雰囲気、第二次世界大戦中の迫力の戦闘シーンなど派手ではないながら映像的面白さも必要に応じてじっくりと表現した感じだったと思う。
それからベンジャミンはインディアンやトライアンフ、エンフィールドなど
後半よくバイクに乗ってるシーンが登場するのだが、こういうシーンはストーリーの脈絡関係なしにバイク好きにとっては嬉しい所。
私は基本的にはミステリーやホラーなどダーク系の作品が好きだし、この映画にもファンタスティックな要素はありながら基本ラブストーリー的な話だと思ってたので観る前は大して期待もせず、「一応あのデビッド・フィンチャーが撮ったんだからどんな作品になってるかチェックしておこう」程度に思っていたのだが、実際観てみると3時間近い上映時間があっという間だったし、作品として心に残るというだけでなく娯楽作品としても面白くて意外に満足がいく作品だった。

by lucifuge
| 2009-03-13 22:57
| 映画/洋画