2009年 03月 23日
ブラッドハーレーの馬車 |
沙村広明の漫画「ブラッドハーレーの馬車」を読んだ。
19世紀、舞台はイギリスをモデルにしたかのようなヨーロッパのどこかの国。
孤児院の少女たちにとって大資産家で貴族院議員であるブラッドハーレーの養女になる事は憧れであり、養女になる事はブラッドハーレー家が運営する「ブラッドハーレー聖公女歌劇団」での華々しい舞台での活躍も約束されるという夢のような話・・・・しかし選ばれた少女たちが行く先は夢とは全くかけ離れた恐ろしい地獄だった・・・・といったストーリー。
以前から沙村広明という漫画家の名前はよく本屋で見かけるものの、全く読んだ事がなかったのだが、表紙の絵が好みの感じだし、ミステリアスな内容っぽいので今回初めて読んでみた。
まずは絵の優雅さがとても魅力的で台詞なども時代の雰囲気を感じさせるし、
作者は「赤毛のアン」的なイメージから妄想を膨らませたというが「赤毛のアンから何でこんな話?」という全く違う残酷で悲しい内容に強い衝撃を受けた。選ばれた少女の行く先、「パスカの祭」と呼ばれる刑務所内の行事の謎、このシステムが作られた目的などミステリー要素は少しあるが、そういう特殊な世界観の中での人間ドラマがメインである作品だし、ミステリー要素がなくても十分圧倒される内容でもある。
「あとがき」によれば時代考証など全くしていないとは書かれながらも人権尊重などの考えなんかが社会的システムとしてまだ未成熟だった時代ならばこういう酷い事があっても不思議じゃないのがリアルに感じられて恐ろしい・・・・。
前半のストレートな残酷さの表現から後半の読者に運命の残酷さを想像させる表現など1つ1つの話がこの世界観の中での様々なシチュエーションで見せる人間ドラマとしてよく出来ているし、特に「友情」と「嫉妬」が交錯し「罪」や「因果」的なものを象徴させるようなエピソード「絆」は印象的だった。
今回ので絵的にも世界的にも結構気に入ったのでまた他に沙村作品を見つけたら読んでみたい☆
19世紀、舞台はイギリスをモデルにしたかのようなヨーロッパのどこかの国。
孤児院の少女たちにとって大資産家で貴族院議員であるブラッドハーレーの養女になる事は憧れであり、養女になる事はブラッドハーレー家が運営する「ブラッドハーレー聖公女歌劇団」での華々しい舞台での活躍も約束されるという夢のような話・・・・しかし選ばれた少女たちが行く先は夢とは全くかけ離れた恐ろしい地獄だった・・・・といったストーリー。
以前から沙村広明という漫画家の名前はよく本屋で見かけるものの、全く読んだ事がなかったのだが、表紙の絵が好みの感じだし、ミステリアスな内容っぽいので今回初めて読んでみた。
まずは絵の優雅さがとても魅力的で台詞なども時代の雰囲気を感じさせるし、
作者は「赤毛のアン」的なイメージから妄想を膨らませたというが「赤毛のアンから何でこんな話?」という全く違う残酷で悲しい内容に強い衝撃を受けた。選ばれた少女の行く先、「パスカの祭」と呼ばれる刑務所内の行事の謎、このシステムが作られた目的などミステリー要素は少しあるが、そういう特殊な世界観の中での人間ドラマがメインである作品だし、ミステリー要素がなくても十分圧倒される内容でもある。
「あとがき」によれば時代考証など全くしていないとは書かれながらも人権尊重などの考えなんかが社会的システムとしてまだ未成熟だった時代ならばこういう酷い事があっても不思議じゃないのがリアルに感じられて恐ろしい・・・・。
前半のストレートな残酷さの表現から後半の読者に運命の残酷さを想像させる表現など1つ1つの話がこの世界観の中での様々なシチュエーションで見せる人間ドラマとしてよく出来ているし、特に「友情」と「嫉妬」が交錯し「罪」や「因果」的なものを象徴させるようなエピソード「絆」は印象的だった。
今回ので絵的にも世界的にも結構気に入ったのでまた他に沙村作品を見つけたら読んでみたい☆
by lucifuge
| 2009-03-23 20:42
| 本/漫画