2009年 03月 31日
ワルキューレ |
ブライアン・シンガー監督、トム・クルーズ主演の映画「ワルキューレ」を観た。
第二次世界大戦中のドイツ。その独裁体制によってヨーロッパを戦火に包み、ドイツ自体も崩壊しかねない総統アドルフ・ヒトラーに対し軍は絶対的忠誠を誓う身ではあったが、軍人でありながらも自らの良心に従いヒトラーの打倒を目指して密かに活動する人間たちがいた・・・アフリカ戦での負傷で本国に帰ってきたシュタウフェンベルク大佐もそんな想いを持った一人であり、やがて彼は「ヒトラー暗殺計画」の中心人物となって作戦を進めていくが・・・・といったストーリー。
これは1944年7月20日に実際に起こった事件を元にした物語であるが、反ヒトラーの下に集まりながらもそれぞれの意見がまとまらなかったり、どんな事があっても信念を貫く者、自らの保身を考える者、自らの利益のために日和見で動く者、優柔不断で決断できない者など様々な人間の姿が描かれていて人間ドラマとしてだけではなく心理ドラマとしても凄く魅せるし、冒頭で行なわれたトレスコウ少将の作戦からして「爆発するのか、しないのか?」「バレるか、バレないか?」といったハラハラ感、シュタウフェンベルクの作戦を進める時も「この中にもしかしたらスパイが?」とか「誰かが裏切っていないか?」とか爆弾が入ったカバンの行方の描写、クライマックスでの通信を利用した「力」を自らの側に動かす巧みな作戦、大事な局面での決断など、観ていて気が全く抜けないようなサスペンスとしても優れた出来で面白かった☆
また対するヒトラー側の反撃も大きくは描かれなかったものの、ナチスの頭脳的存在でもある宣伝相ゲッベルスの機転の利いた軍への対応とかシュタウフェンベルクの計画が現実には一筋縄でいかない厳しさもあったり、爆破自体は成功しても肝心のヒトラーが・・・という残酷ともいえる運命の皮肉さはまさに悲劇的。
この事件の9ヶ月後にナチスは滅んでしまうし「もうちょっと待てば良かったのに」とも思うが彼等はナチスとは違う「信念を持ったドイツ人もいた」という事を伝えたかったわけだし、それはその勇気ある行動によって最後は悲劇的ながら十分に歴史に残る事をやったと思う。
キャスティングでいうといかにもアメリカ人っぽいトム・クルーズはシュタウフェンベルクのイメージに合ってるかどうかは微妙だが結構な熱演だったし、最近「アンダーワールド」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」の悪役などよく出ているビル・ナイ、名優ケネス・ブラナーやテレンス・スタンプといった豪華なキャスティングで重厚な「男のドラマ」を見せてくれたしヒトラー役の顔がCGなのか特殊メイクなのかあまりにもソックリに出来ていて不気味なほどだった。
公開前のCMでは冒頭のアフリカでの戦闘シーンとかアクション的に迫力あるダイナミックな映画のように見せられていたが、実際観てみると映像的にはほぼ室内劇のような地味な感じで多少印象は違うものの、台詞のひとつひとつ、行動のひとつひとつが重要であるような深い作品だったし、ちょっとツッこむとすれば冒頭はドイツ語で日記なんかが語られていて「全編ドイツ語でやるんだったらリアルだな~」と思いきや、いきなり次のシーンで英語になってるし・・・・ちょっと不自然にも見えたが。
宣伝として結構大掛かりにやっているハリウッド映画って内容が予想つく感じだし、この話も第二次大戦中の史実としては有名なもので結末は知ってるし、それをどう見せるのか?程度にしか興味もなく大して期待もしてなかったのだが、以前同じくナチスを題材にしたスティーブン・キング原作の「ゴールデンボーイ」で「ナチス的狂気」のサスペンスを見事に表現してみせたブライアン・シンガー監督の手腕はさすがというか、サスペンスの質は違うながら存分に楽しめる映画だったと思う☆
第二次世界大戦中のドイツ。その独裁体制によってヨーロッパを戦火に包み、ドイツ自体も崩壊しかねない総統アドルフ・ヒトラーに対し軍は絶対的忠誠を誓う身ではあったが、軍人でありながらも自らの良心に従いヒトラーの打倒を目指して密かに活動する人間たちがいた・・・アフリカ戦での負傷で本国に帰ってきたシュタウフェンベルク大佐もそんな想いを持った一人であり、やがて彼は「ヒトラー暗殺計画」の中心人物となって作戦を進めていくが・・・・といったストーリー。
これは1944年7月20日に実際に起こった事件を元にした物語であるが、反ヒトラーの下に集まりながらもそれぞれの意見がまとまらなかったり、どんな事があっても信念を貫く者、自らの保身を考える者、自らの利益のために日和見で動く者、優柔不断で決断できない者など様々な人間の姿が描かれていて人間ドラマとしてだけではなく心理ドラマとしても凄く魅せるし、冒頭で行なわれたトレスコウ少将の作戦からして「爆発するのか、しないのか?」「バレるか、バレないか?」といったハラハラ感、シュタウフェンベルクの作戦を進める時も「この中にもしかしたらスパイが?」とか「誰かが裏切っていないか?」とか爆弾が入ったカバンの行方の描写、クライマックスでの通信を利用した「力」を自らの側に動かす巧みな作戦、大事な局面での決断など、観ていて気が全く抜けないようなサスペンスとしても優れた出来で面白かった☆
また対するヒトラー側の反撃も大きくは描かれなかったものの、ナチスの頭脳的存在でもある宣伝相ゲッベルスの機転の利いた軍への対応とかシュタウフェンベルクの計画が現実には一筋縄でいかない厳しさもあったり、爆破自体は成功しても肝心のヒトラーが・・・という残酷ともいえる運命の皮肉さはまさに悲劇的。
この事件の9ヶ月後にナチスは滅んでしまうし「もうちょっと待てば良かったのに」とも思うが彼等はナチスとは違う「信念を持ったドイツ人もいた」という事を伝えたかったわけだし、それはその勇気ある行動によって最後は悲劇的ながら十分に歴史に残る事をやったと思う。
キャスティングでいうといかにもアメリカ人っぽいトム・クルーズはシュタウフェンベルクのイメージに合ってるかどうかは微妙だが結構な熱演だったし、最近「アンダーワールド」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」の悪役などよく出ているビル・ナイ、名優ケネス・ブラナーやテレンス・スタンプといった豪華なキャスティングで重厚な「男のドラマ」を見せてくれたしヒトラー役の顔がCGなのか特殊メイクなのかあまりにもソックリに出来ていて不気味なほどだった。
公開前のCMでは冒頭のアフリカでの戦闘シーンとかアクション的に迫力あるダイナミックな映画のように見せられていたが、実際観てみると映像的にはほぼ室内劇のような地味な感じで多少印象は違うものの、台詞のひとつひとつ、行動のひとつひとつが重要であるような深い作品だったし、ちょっとツッこむとすれば冒頭はドイツ語で日記なんかが語られていて「全編ドイツ語でやるんだったらリアルだな~」と思いきや、いきなり次のシーンで英語になってるし・・・・ちょっと不自然にも見えたが。
宣伝として結構大掛かりにやっているハリウッド映画って内容が予想つく感じだし、この話も第二次大戦中の史実としては有名なもので結末は知ってるし、それをどう見せるのか?程度にしか興味もなく大して期待もしてなかったのだが、以前同じくナチスを題材にしたスティーブン・キング原作の「ゴールデンボーイ」で「ナチス的狂気」のサスペンスを見事に表現してみせたブライアン・シンガー監督の手腕はさすがというか、サスペンスの質は違うながら存分に楽しめる映画だったと思う☆

by lucifuge
| 2009-03-31 22:17
| 映画/洋画