異界神話 |
この本は世の中に噂される奇怪な話、都市伝説、心霊体験などを著者たちの体験談も交えて紹介した49話を収録したものであるが、内容としては霊を確実に見られる方法の話「心霊体験」、実在する怪談系メールマガジンにまつわる話「逢魔ヶ時」、都市伝説的な噂「歩道橋」、「引越し屋さん」、「百物語」、「コンコン」、「ひとりかくれんぼ」、「アンサーさん事件」、山口氏の恐怖実体験「呪い面」、現実に存在するサイコ的・犯罪的恐怖話「ネットストーカー」、「誕生日にきたメール」、「シール」、「楳○かずお先生がまことちゃんを描いたわけ」、映像に関する心霊話「呪いのビデオ」、「ア○ビリバボーでお蔵入りになったビデオ」、人形に関する怖い話「特撮人形」、「生き人形」、言葉の取りかたによって不思議に感じる話「兄弟」、歴史的な妖怪に関するちょっとイイ話「河童に助けられた人々」、未来が気になってしまう「欽ちゃんの予言」、「ジュセリーノと出口王仁三郎」、「ジョン・タイター」、東京に関する不思議話「東京の風水」、「東京マラソン」、「忌部神社」、妖怪に関する話「妖怪・姑獲鳥」、「座敷童子」、「妖怪のビジュアル」、現代の妖怪ともいえる「ゴム人間騒動」、人間関係など心理学的な不思議話「怖い話をより怖くする裏技」、「マッチ1本で人間関係をコントロール!?」など有名で聞いた事ある話からちょっと知ってたけど改めて読んでみると気になった話、実体験なりのリアルで怖い話など色々楽しめる。
著者の一人である島田秀平は少し前まではテレビでちょっと顔見た事あるくらいでどんなネタやってるのかも知らないような人だったのだが、たまたま見た「99サイズ」かなんかの番組で彼が「怖い話」をしており、それがとても怖くて印象に残っていたので他にどんな怖い話をするんだろう?とか気になっていたのだが今回初めて著書を読んでみて語り口的には比較的わかりやすい「ハローバイバイ関暁夫の都市伝説」っぽいとっつきやすい感じで読みやすいし彼自身の実体験や周囲の人々の体験など「実体験」なりの面白さやリアル感はなかなか怖く楽しめるし、オカルト本監修では常連の山口敏太郎との組み合わせというのも面白い。
エピソード的に気になったものとしては島田氏が「心霊体験」で語っていた霊を確実に見る方法は興味深い話だったし、山口氏の「逢魔ヶ時」もまるで呪われているかのような現象の数々は不気味だし、そのいわくつきな本もどんなのか読んでみたい気もする。
また山口氏の実体験である「ネットストーカー」に出てくる怪しいオッサンの風貌がまるで水木しげるの漫画に出てきそうだったりで妙なおかしさだし、「呪い面」もそんなに恐ろしいものがその後どうなったのか気になるところ。
また島田氏が見た「アンビリバボーでお蔵入りになったビデオ」というのがどんなに不気味な画像だったのか見てみたいし、そんなに凄いのなら放送出来なくても是非DVD化してほしいと思ったり、予言に関しては「欽ちゃんの予言」が見過ごせないような感じだったり、未来から来たという「ジョン・タイター」なる人物についても凄く興味深い。
「妖怪のビジュアル」に関しては昔から多く描かれている妖怪画が同じようなビジュアルになる理由について書いていたが「存在」するものなら共通したビジュアルになるのは頷けるしどこかにそういうものがいると考えるのは楽しい☆
ラストの島田氏と山口氏の対談も二人の不思議な縁も交えた話で面白かったし、内容としては平山夢明作品や小池壮彦作品ほど怖さのインパクトはなかったながら幅広いオカルトジャンルと読みやすさは気軽にちょっと楽しむのに良い感じだし、また他の著書もあるなら読んでみたい。