2009年 04月 27日
エリザベート 愛と死の輪舞 2002年花組公演 |
DVDで三井住友VISAミュージカル「エリザベート 愛と死の輪舞」の2002年・宝塚歌劇花組公演を観た。
この作品はは19世紀末に実在したオーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベートの生涯を題材にしたもので、ウィーンでのミュージカルをオリジナルとし、それを宝塚でアレンジし各組様々なヴァージョンで公演されてきたが、特にこの2002年花組公演は私が以前読んだ雑誌「レプリークBis」での特集で気になった舞台。
ストーリーとしては19世紀末にエリザベートがルキーニというイタリア人アナーキストによって殺され、その後自殺を図ったルキーニが煉獄の裁判所で狂言回しのようにエリザベートの生涯をたどっていき殺害に至ったかを告白していくが、エリザベートの人生の背後には彼女に惹かれてしまった冥界の王トート(=死)との関わりがあり・・・・といった感じ。
宝塚公演でのエリザベートは昔ビデオで「宙組」バージョンを観た事があってそのダークで幻想的な世界に魅入ってしまったが、雑誌「レプリークBis」での様々な公演写真を見た時この花組公演での春野寿美礼演じるトート像が最も私の理想イメージに近かったし、実際観てみてやはり素晴らしかった!
基本的に歌や音楽、ストーリー展開などは前に観た宙組のものと同じなのだが演者や見せ方が違うと大分イメージが変わるものだし、春野バージョンのトートはまるでマリリン・マンソンを思わせるオープニングのゴワッとした黒羽毛っぽい衣装をはじめ冥界でのシーンの黒を基調とした衣装デザインは格好良かったし、特に黒い軍服風の衣装は私好みだった。
シーンでいうと最初のあたりの椅子に座ったまま黒天使たちとともに登場するトートの姿は威厳ある幻想さでイイ感じ☆
また現実世界で様々に暗躍をするトートは多少色味のある衣装を使っていたりと衣装イメージだけでも結構楽しませてくれる。
後半の白衣装のトートもまた神秘的だったし、このルキーニの最後の告白のシーンでは白い仮面をかぶった連中と不可思議なポーズで登場したり、ちょっとアングラ劇的イメージも感じさせたりで面白い。
衣装といえばエリザベートの衣装もシーンによって様々に変わり、衣装が彼女の心を象徴しているようだったし、宙組版を観た時はあまりエリザベートの事自体知らなくてスルーしていたが数年前に「皇妃エリザベート展」の図録を入手して見たりしてからは図録の肖像画で見た衣装がそのまま再現されてこの舞台で使われているというのは感激で結構なインパクトがあった。
エリザベート役の大鳥れいはとてもエレガントな雰囲気で、特に第2幕ではそのエレガントさが増して皇妃の雰囲気を存分に表現していたし、姑となるゾフィーのメイクがまるで1920年代くらいのハリウッド女優を思わせる妙な濃さなのも個性的だったり、マダム・ヴォルフの妖艶な衣装とか宝塚の舞台は本当にヴィジュアル的楽しめる部分が多い。
勿論ミュージカルなので歌やダンスも凄いし、特に私はトートを象徴するような「最後のダンス」という曲が好きなのだが、何度も登場するこの歌のシーンでは前半の舞踏会でのヴァージョンが幻想的で好き。
またエリザベートを象徴するような「私だけに」や軽快なノリで楽しめるルキーニの「キッチュ」も印象的で好きな曲。
全体的には華やかなミュージカルながら、「死」に愛され、誘われ様々な手を使って「死」がエリザベートに迫るというようなダークな側面を持つ特異なミュージカルというのも私が惹かれる要素のひとつであるが、台詞の中に「死ねばいい!」とか結構強烈なのもあったり宝塚のイメージからすると本当に異例な感じが面白い。
花組ヴァージョンがこんなに完成度が高いならば他の組のヴァージョンも気になってしまうし観てみたい所だが、他にもウィーン版をはじめ海外でのヴァージョンも気になるし、特に「レプレークBis」で紹介されていた肋骨がデザインされたようなブラックメタル風衣装を着たトートが登場するフィンランド版が気になる。
フィナーレではダークさのある本編とは一転して宝塚ならではの派手さと華麗さでストレートに楽しませてくれるし、大羽付き衣装のトートもまた何とも凄いヴィジュアルで最後まで飽きさせずにエンターティメントの王道を感じさせてくれる素晴らしい舞台だった。
この作品はは19世紀末に実在したオーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベートの生涯を題材にしたもので、ウィーンでのミュージカルをオリジナルとし、それを宝塚でアレンジし各組様々なヴァージョンで公演されてきたが、特にこの2002年花組公演は私が以前読んだ雑誌「レプリークBis」での特集で気になった舞台。
ストーリーとしては19世紀末にエリザベートがルキーニというイタリア人アナーキストによって殺され、その後自殺を図ったルキーニが煉獄の裁判所で狂言回しのようにエリザベートの生涯をたどっていき殺害に至ったかを告白していくが、エリザベートの人生の背後には彼女に惹かれてしまった冥界の王トート(=死)との関わりがあり・・・・といった感じ。
宝塚公演でのエリザベートは昔ビデオで「宙組」バージョンを観た事があってそのダークで幻想的な世界に魅入ってしまったが、雑誌「レプリークBis」での様々な公演写真を見た時この花組公演での春野寿美礼演じるトート像が最も私の理想イメージに近かったし、実際観てみてやはり素晴らしかった!
基本的に歌や音楽、ストーリー展開などは前に観た宙組のものと同じなのだが演者や見せ方が違うと大分イメージが変わるものだし、春野バージョンのトートはまるでマリリン・マンソンを思わせるオープニングのゴワッとした黒羽毛っぽい衣装をはじめ冥界でのシーンの黒を基調とした衣装デザインは格好良かったし、特に黒い軍服風の衣装は私好みだった。
シーンでいうと最初のあたりの椅子に座ったまま黒天使たちとともに登場するトートの姿は威厳ある幻想さでイイ感じ☆
また現実世界で様々に暗躍をするトートは多少色味のある衣装を使っていたりと衣装イメージだけでも結構楽しませてくれる。
後半の白衣装のトートもまた神秘的だったし、このルキーニの最後の告白のシーンでは白い仮面をかぶった連中と不可思議なポーズで登場したり、ちょっとアングラ劇的イメージも感じさせたりで面白い。
衣装といえばエリザベートの衣装もシーンによって様々に変わり、衣装が彼女の心を象徴しているようだったし、宙組版を観た時はあまりエリザベートの事自体知らなくてスルーしていたが数年前に「皇妃エリザベート展」の図録を入手して見たりしてからは図録の肖像画で見た衣装がそのまま再現されてこの舞台で使われているというのは感激で結構なインパクトがあった。
エリザベート役の大鳥れいはとてもエレガントな雰囲気で、特に第2幕ではそのエレガントさが増して皇妃の雰囲気を存分に表現していたし、姑となるゾフィーのメイクがまるで1920年代くらいのハリウッド女優を思わせる妙な濃さなのも個性的だったり、マダム・ヴォルフの妖艶な衣装とか宝塚の舞台は本当にヴィジュアル的楽しめる部分が多い。
勿論ミュージカルなので歌やダンスも凄いし、特に私はトートを象徴するような「最後のダンス」という曲が好きなのだが、何度も登場するこの歌のシーンでは前半の舞踏会でのヴァージョンが幻想的で好き。
またエリザベートを象徴するような「私だけに」や軽快なノリで楽しめるルキーニの「キッチュ」も印象的で好きな曲。
全体的には華やかなミュージカルながら、「死」に愛され、誘われ様々な手を使って「死」がエリザベートに迫るというようなダークな側面を持つ特異なミュージカルというのも私が惹かれる要素のひとつであるが、台詞の中に「死ねばいい!」とか結構強烈なのもあったり宝塚のイメージからすると本当に異例な感じが面白い。
花組ヴァージョンがこんなに完成度が高いならば他の組のヴァージョンも気になってしまうし観てみたい所だが、他にもウィーン版をはじめ海外でのヴァージョンも気になるし、特に「レプレークBis」で紹介されていた肋骨がデザインされたようなブラックメタル風衣装を着たトートが登場するフィンランド版が気になる。
フィナーレではダークさのある本編とは一転して宝塚ならではの派手さと華麗さでストレートに楽しませてくれるし、大羽付き衣装のトートもまた何とも凄いヴィジュアルで最後まで飽きさせずにエンターティメントの王道を感じさせてくれる素晴らしい舞台だった。
by lucifuge
| 2009-04-27 23:21
| 舞台