2009年 05月 08日
GOEMON |
「CASSHERN」の紀里谷和明監督が江口洋介主演で撮った映画「GOEMON」を観た。
豊臣秀吉が天下統一を果たした時代の日本、天下の大泥棒として名をはせた石川五右衛門は紀伊国屋文左衛門邸に盗みに入り、ある南蛮風の箱も一緒に盗むが箱の中には何もなく捨ててしまう・・・・一方秀吉配下の石田三成は何かいわくつきなその箱を探し回ったあげく文左衛門の一家を皆殺し、そしてその危険極まりない状況を面白いと感じた五右衛門は再び箱を手にするが・・・・・といったストーリー。
秀吉以前の支配者である織田信長という巨大な存在と五右衛門の関係性、本能寺の変と秀吉の謎、そこにつけいってくる徳川家康の存在といった歴史の裏的ミステリー要素や石田三成の下で働く霧隠才蔵や徳川家康配下の服部半蔵といった忍びの者たちと五右衛門の過去の関係、秀吉が寵愛する茶々姫と五右衛門の関係性など五右衛門というキャラが歴史を動かす人間たちの影に関わっている設定は面白いし、五右衛門とつるんでいるちょっと間抜けな佐助や箱をきっかけに関わった少年小平太、五右衛門を慕う遊郭の遊女である吉野太夫や夕霧太夫といった身近な仲間のキャラや秀吉側近で狡猾な石田三成をはじめまるでマクベス夫人を思わせるその妻おりん、冷酷な忍びである霧隠才蔵、秀吉の用心棒的な怪力男我王など敵キャラもバラエティーに富んでいて楽しめる。
この映画の魅力は何といってもまずは「映像」なのだがまるで鬼の角がついたような城のデザインや花びらが咲くような秀吉の着物、近未来映画に出てきそうなへヴィな鎧をまとった兵隊など、そのやり過ぎくらいなゴテゴテ装飾の建築物や背景、衣装の見せ方はとにかく凄いし私の趣味にピッタリで勿論ストーリーの面白さもあるが画面を観ているだけでも十分夢中になってしまった。
また一応時代劇ながら時代考証を無視してイメージを先行させたその世界観はロック的でもあり私の好きな劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人」や「阿修羅城の瞳」なんかに共通するセンスも感じたりで言うなればいかにもな正統派時代劇とは全く違う次元に存在するような「異次元時代劇」ともいうべき不思議な世界が展開されていたし、もし紀里谷監督が新感線の舞台を映画化しても凄いものが出来るんじゃないかとも思った。
それにしても劇中の登場人物は五右衛門をはじめありえない超人的な戦闘能力を持っているのには驚きだが、こういう見せ方ってまさに80年代以降の少年漫画のヒーローの世界だしそれをそのまま具現化したような爽快感と迫力がある(外人が観たらジャパニーズ忍者ってこんなに強いの?と誤解されるかもしれないが:笑)。
また五右衛門といえば有名な「釜ゆで処刑」にまつわるエピソードも「そうきたか!」って感じだったし名台詞「絶景、絶景、絶景かな」も意味深いシーンの使われ方をしていたりでこの映画における石川五右衛門の人物像をよくあらわしていたように思える。
まあ真面目に歴史的に観たらツッコミ所は多いのだが、この映画はとにかく映像を観てほしいし色んな「絵的に決まる格好よさ」を追求したようなシーンのオンパレードであったり目で楽しむ映画なので、「視覚」という映画本来の魅力を存分に楽しむには十分すぎる程クオリティの高い出来だと思う。
豊臣秀吉が天下統一を果たした時代の日本、天下の大泥棒として名をはせた石川五右衛門は紀伊国屋文左衛門邸に盗みに入り、ある南蛮風の箱も一緒に盗むが箱の中には何もなく捨ててしまう・・・・一方秀吉配下の石田三成は何かいわくつきなその箱を探し回ったあげく文左衛門の一家を皆殺し、そしてその危険極まりない状況を面白いと感じた五右衛門は再び箱を手にするが・・・・・といったストーリー。
秀吉以前の支配者である織田信長という巨大な存在と五右衛門の関係性、本能寺の変と秀吉の謎、そこにつけいってくる徳川家康の存在といった歴史の裏的ミステリー要素や石田三成の下で働く霧隠才蔵や徳川家康配下の服部半蔵といった忍びの者たちと五右衛門の過去の関係、秀吉が寵愛する茶々姫と五右衛門の関係性など五右衛門というキャラが歴史を動かす人間たちの影に関わっている設定は面白いし、五右衛門とつるんでいるちょっと間抜けな佐助や箱をきっかけに関わった少年小平太、五右衛門を慕う遊郭の遊女である吉野太夫や夕霧太夫といった身近な仲間のキャラや秀吉側近で狡猾な石田三成をはじめまるでマクベス夫人を思わせるその妻おりん、冷酷な忍びである霧隠才蔵、秀吉の用心棒的な怪力男我王など敵キャラもバラエティーに富んでいて楽しめる。
この映画の魅力は何といってもまずは「映像」なのだがまるで鬼の角がついたような城のデザインや花びらが咲くような秀吉の着物、近未来映画に出てきそうなへヴィな鎧をまとった兵隊など、そのやり過ぎくらいなゴテゴテ装飾の建築物や背景、衣装の見せ方はとにかく凄いし私の趣味にピッタリで勿論ストーリーの面白さもあるが画面を観ているだけでも十分夢中になってしまった。
また一応時代劇ながら時代考証を無視してイメージを先行させたその世界観はロック的でもあり私の好きな劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人」や「阿修羅城の瞳」なんかに共通するセンスも感じたりで言うなればいかにもな正統派時代劇とは全く違う次元に存在するような「異次元時代劇」ともいうべき不思議な世界が展開されていたし、もし紀里谷監督が新感線の舞台を映画化しても凄いものが出来るんじゃないかとも思った。
それにしても劇中の登場人物は五右衛門をはじめありえない超人的な戦闘能力を持っているのには驚きだが、こういう見せ方ってまさに80年代以降の少年漫画のヒーローの世界だしそれをそのまま具現化したような爽快感と迫力がある(外人が観たらジャパニーズ忍者ってこんなに強いの?と誤解されるかもしれないが:笑)。
また五右衛門といえば有名な「釜ゆで処刑」にまつわるエピソードも「そうきたか!」って感じだったし名台詞「絶景、絶景、絶景かな」も意味深いシーンの使われ方をしていたりでこの映画における石川五右衛門の人物像をよくあらわしていたように思える。
まあ真面目に歴史的に観たらツッコミ所は多いのだが、この映画はとにかく映像を観てほしいし色んな「絵的に決まる格好よさ」を追求したようなシーンのオンパレードであったり目で楽しむ映画なので、「視覚」という映画本来の魅力を存分に楽しむには十分すぎる程クオリティの高い出来だと思う。
by lucifuge
| 2009-05-08 21:31
| 映画/邦画