2009年 05月 22日
京極夏彦が選ぶ!水木しげる未収録短編集 |
以前「京極夏彦が選ぶ!水木しげるの奇妙な劇画集」という妖怪漫画の大家・水木しげるの単行本未収録作品を大の水木ファンである作家の京極夏彦がセレクトした短編漫画集を読んだのだが、これは実はシリーズの第2弾であったため第1弾である「京極夏彦が選ぶ!水木しげる未収録短編集」を読みたいと思っていた所、先日見つけ入手してあったので読んでみた。
内容としては貸本漫画時代の「亡者の笛」と時代劇「おんぼろ小僧一番槍」、少年漫画時代の「なまけの与太郎」シリーズから「怪植物」、「空飛ぶ円盤」、「妖精」、「風の神」、「見世物小屋」、「顔ぬす人」、「約束」、「海じじい」の8編、水木氏のエッセイから「近頃の若者たち」、「マンガ家の一日」の2編、青年コミック作品からは「「水晶球の世界」、「サラリーマン革命」、「屁島」、「吉備津の釜」「地蔵和賛」、「コチョコチョ菌」、「てんぎゃん」の7編が収録されている。
最初を飾る「亡者の笛」は貸本漫画時代の作品ながら、この頃から既に水木独自の霊的世界観というか妖怪学的思考が見えてくる内容で面白かったし、「おんぼろ小僧一番槍」は怪奇要素がない作品ながらも迫力あるタッチで大胆に描かれた絵柄は活劇漫画として逸品。
また少年漫画作品の「なまけ与太郎」シリーズは怠け者で変わり者の中学一年生・与太郎が様々な不思議な事件に巻き込まれる話だが日常に紛れる怪異というか、いかにも「妖怪」な鬼太郎とは違う面白さを見せてくれるシリーズだったし、中でも「怪植物」と「見世物小屋」、「顔ぬす人」なんかのエピソードは好きな感じ(特に「顔ぬす人」の人魂食べたりする発想など水木らしいユーモア溢れる妙な世界でイイ!)☆
青年コミック作品もどれも個性的でサラリーマンと革命という通常イメージ的に繋がらないキーワードを繋げて作ってしまった「サラリーマン革命」やあらゆる価値観の中心が「屁」という奇妙な島の話「屁島」、エロティックながらバカバカしい「コチョコチョ菌」などヘンテコな発想満載なのは楽しいし、楽しいだけでなくこの世の夢や悲哀、冷酷さなども感じさせる作品だったし、詩的に賽の河原の情景を描いたような「地蔵和賛」のような実験的作品、破天荒な偉人・南方熊楠の伝記漫画「てんぎゃん」なども面白かった。
また水木によるエッセイでは今の時代にもそのまま通ずるような「近頃の若者たち」とか水木氏の日常をちょっと覗いた感覚になる「マンガ家の一日」も興味深かったし本来収録されなかった未収録短編集ながら「未収録作品」でも溢れるくらいの「水木ワールド」を感じさせてくれるコテコテの1冊だったと思う。
京極夏彦のあとがきによるとまだまだ単行本に載った事がない水木作品は山ほどあるらしいので今後第3弾、第4弾・・・・と出るのならもっと読みたい♪
内容としては貸本漫画時代の「亡者の笛」と時代劇「おんぼろ小僧一番槍」、少年漫画時代の「なまけの与太郎」シリーズから「怪植物」、「空飛ぶ円盤」、「妖精」、「風の神」、「見世物小屋」、「顔ぬす人」、「約束」、「海じじい」の8編、水木氏のエッセイから「近頃の若者たち」、「マンガ家の一日」の2編、青年コミック作品からは「「水晶球の世界」、「サラリーマン革命」、「屁島」、「吉備津の釜」「地蔵和賛」、「コチョコチョ菌」、「てんぎゃん」の7編が収録されている。
最初を飾る「亡者の笛」は貸本漫画時代の作品ながら、この頃から既に水木独自の霊的世界観というか妖怪学的思考が見えてくる内容で面白かったし、「おんぼろ小僧一番槍」は怪奇要素がない作品ながらも迫力あるタッチで大胆に描かれた絵柄は活劇漫画として逸品。
また少年漫画作品の「なまけ与太郎」シリーズは怠け者で変わり者の中学一年生・与太郎が様々な不思議な事件に巻き込まれる話だが日常に紛れる怪異というか、いかにも「妖怪」な鬼太郎とは違う面白さを見せてくれるシリーズだったし、中でも「怪植物」と「見世物小屋」、「顔ぬす人」なんかのエピソードは好きな感じ(特に「顔ぬす人」の人魂食べたりする発想など水木らしいユーモア溢れる妙な世界でイイ!)☆
青年コミック作品もどれも個性的でサラリーマンと革命という通常イメージ的に繋がらないキーワードを繋げて作ってしまった「サラリーマン革命」やあらゆる価値観の中心が「屁」という奇妙な島の話「屁島」、エロティックながらバカバカしい「コチョコチョ菌」などヘンテコな発想満載なのは楽しいし、楽しいだけでなくこの世の夢や悲哀、冷酷さなども感じさせる作品だったし、詩的に賽の河原の情景を描いたような「地蔵和賛」のような実験的作品、破天荒な偉人・南方熊楠の伝記漫画「てんぎゃん」なども面白かった。
また水木によるエッセイでは今の時代にもそのまま通ずるような「近頃の若者たち」とか水木氏の日常をちょっと覗いた感覚になる「マンガ家の一日」も興味深かったし本来収録されなかった未収録短編集ながら「未収録作品」でも溢れるくらいの「水木ワールド」を感じさせてくれるコテコテの1冊だったと思う。
京極夏彦のあとがきによるとまだまだ単行本に載った事がない水木作品は山ほどあるらしいので今後第3弾、第4弾・・・・と出るのならもっと読みたい♪

by lucifuge
| 2009-05-22 22:31
| 本/漫画