ストレンジャーズ 戦慄の訪問者 |
友人の結婚式から抜け出したジェームズは恋人クリスティンにプロポーズするも断られ気まずい状態のまま別荘で滞在していたが、午前4時頃突然ドアをノックする音が響き出てみると見知らぬ少女がおり、タマラという人物を訪ねてきたという話だったがそんな人物はここにはいない・・・ちょっとオカシイ女なんだろうと再びドアを閉めた後、クリスティンを残してジェームズはドライブに出掛けるが再びドアノックの音が・・・やがてノックだけではなく何者かが家内に侵入し騒ぎと破壊行動を始めクリスティンは恐怖に怯える中ジェームズが帰宅、侵入者に対してジェームズとクリスティンも抵抗を行なうが謎の侵入者たちは次々に彼等を脅かす不可解で危険な行動を続けていき・・・・といったストーリー。
まあ観た感じ普通の人々が突然異常な連中に襲われるというパターンのホラー系の映画でよくあるような大した事ないネタなのだが、そういうよくあるネタにも関わらず演出や見せ方の秀逸さで存分に怖い作品に仕上がっているし、何より各シーンに登場する様々な「音」にこだわり恐怖を盛り上げていくテクニックは素晴らしい!
単純に演出として音で驚かすようなホラーは沢山あるがこの映画の「音」の表現は姿をなかなか見せない犯人たちの存在そのものとして描かれている点とか場面場面の音によって主人公たちとの距離感とか心理的恐怖まで表現していたり本当によく工夫されていたと思う。
それから犯人たちのキャラクターも奇妙な布の白いマスクをかぶった男(ちょっとクライブ・バーカー原作・監督作「ミディアン」でデヴィッド・クローネンバーグが演じた殺人鬼や「バットマン ビギンズ」のスケアクロウを連想させるイメージ)にショートカット女性を模したマスクをかぶった女、人形みたいな顔のマスクをかぶった女という奇妙さもなかなかのインパクトの上、通常こういうサイコ殺人鬼キャラは男ばかりの場合が多いが、この映画は女性殺人鬼が2人いるという珍しさとか設定として面白い。
この男性1人に女性2人という構成は夫婦と娘という「家族」が想定出来るが一家とすれば今後「悪魔のいけにえ」や「サランドラ」のキチガイ一家に匹敵するホラーキャラになるかも?と思うし、実際続編の制作も決定しているらしいので今後が楽しみである。
そして冒頭にクレジットで入る「2005年に実際に起こった未解決事件を基にした作品」というふれこみも平山夢明氏が著した「東京伝説」なんかを読んでいると最近の世の中ではこういう意味不明なキチガイ連中によって不条理に被害に遭う事は珍しくない気はしてリアルだったし、そういう意味でも現実に余韻を残すような恐ろしい映画だった。
