消されたヘッドライン |
ワシントンでドラッグ中毒の黒人少年が何者かに殺され、現場を目撃したピザ配達員も殺されかけ意識不明という事件が発生、その翌日連邦議会議員であるコリンズのスタッフの女性ソニアが地下鉄で突然死亡するという事件が起こる・・・・黒人少年殺害事件を追っていた新聞記者のカルは独自の取材方法で事実を積み上げていくが、黒人少年がひったくりをしていた事とその奪ったカバンの中身が実はソニアの死亡事件につながっていくという展開をみせる・・・・一方ソニアと愛人関係だった事からマスコミの餌食となり窮地に陥ったコリンズが旧友であるカルに助けを求める・・・コリンズは民間軍事企業ポイントコープへの公聴会の委員長であり、多少きな臭い噂もあるこの会社への追求を行なおうとしていた背景やソニアに過去など調べていくうちに様々な事実が浮かび上がりカルは真相に向かっていくが・・・・といった内容。
巨大企業の陰謀を背景に感じさせる内容としては少し前に観た「ザ・バンク」や「フィクサー」などを連想するが、この作品はさらにその先にある裏があったりストーリーが二転三転して進んでいくのが面白かったし、一見社会派メインのサスペンスのようで人間の感情の行き違いや確執を描いた人間ドラマ型サスペンスでもあるという二重の楽しみ方が出来る作品。
またカルとコリンズが学生時代の旧友でコリンズの妻アンとカルの関係性とか愛憎絡んだキャラクターの相関図も面白いし、新人ながらカルとの取材で能力を開花させていく女性記者デラや一筋縄ではいかない編集長キャメロン、ソニアとある接点を持つ広告PRマンのドミニク、コリンズの先輩議員ファーガス、邪魔者を次々に消していく謎の殺し屋の存在など複雑に絡み合うキャラクターたちの動きも謎とサスペンスが盛り上がっていって良い☆
それにしてもアメリカにはああいった民間巨大軍事企業があって大きな力を持っているという実態には驚かされたし、ある意味企業とは名ばかりの秘密結社に近いような危なさも感じる。
それから新聞記者たちの記者魂というか真実をとことん追究していく見せ方も非常にドラマティックで報道の建前と真実、裏取りや証拠集めなど現場の厳しさとかジャーナリズムの裏側も描かれていたのは面白かったと思う。
