サマーウォーズ |
2010年7月、世の中では世界中のあらゆる情報と生活の一端を担ってしまっているネット内の巨大な仮想世界システム「OZ」が存在し、人々はもはやこのシステムと日常生活を切り離せない状況にある・・・。
都内の高校に通う健二は憧れの先輩である夏希から夏休みのアルバイトを頼まれるが、実はそのバイトとは武家の末裔である夏希の実家に行き彼女の婚約者のフリをするというとんでもないものだった・・・しかも実家には20人以上の夏希の親戚一同が大集合している状況で・・・そんな中、健二は夜に携帯メールでどこからか届いた数字の羅列の暗号を実は数学が得意で数学オリンピック日本代表にあと一歩だったというくらいの能力の持ち主だった事からその難問を解いて送信してしまい、そこから事態はとんでもない方向に行ってしまう・・・というようなストーリー。
以前観た「時をかける少女」が私的にはかなりな面白さだったのでこの作品もさらなる期待をして観に行ったのだがそういうハードルの高さで観たにもかかわらず細田作品はやはり面白かった!
「時をかける少女」では主要3人の登場人物たちのドラマ部分を中心にファンタスティックな要素を絡めながらうまく描かれていたが、今回は20人を超える大所帯の親戚たちとそこに関わってしまった少年の関わり、リアル世界での様々なトラブルと仮想世界OZでの関連性といった設定が交錯しキャラクターの多様性と変化で見せる群像劇としての面白さが存分に発揮されていたし、また新たな細田作品の魅力を見せてくれた感じ。
それから大勢いるキャラクターでの男性キャラと女性キャラとの描き方の違いとか慌しくもほのぼのとした日常に危機的トラブルが続出するサスペンス部分、そしてトラブルに対するキャラクターたちの戦い方などグイグイ観る側を引っ張っていくし、特に何段階にも二転三転する仮想世界での戦いはクライマックスに向かって全く目が離せなかった!
そしてこの世界的危機にまでつながる大きな事態が原因となる発端もトラブルと戦う過程も全てある田舎の親戚一同の間で行なわれているという状況も何だか面白かったし、現実世界を描きながらも実に不思議な世界を感じさせる映画だった。
アニメ映画では最近観た「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」も面白かったが、この映画のキャラクターデザインは同じヱヴァンゲリヲンの貞本義行がやっているというのも不思議な感じだし、全くイメージや世界観は違うながらどちらの作品にもキャラクターのイメージが合ってるのが何だか凄い。
ヱヴァンゲリヲンはダークさが後をひく魅力があるが、対して今回観たサマーウォーズは全くもって爽やかでラストも気持ち良くスッキリさせる作品だったし、私は基本的にはダークなのが好きだがこういう映画も結構好きだったりする。
細田作品は観た2作品、今の所ハズレがないので次回はどんなものを見せてくれるのかさらにハードルが上がるかも?
次は意外にダーク方向で作ってたらビックリするけど(笑)