2009年 10月 20日
エスター |
「TATARI」や「13ゴースト」、「蝋人形の館」など毎回高いクオリティでホラー作品を見せてくれるダークキャッスル社の新作「エスター」を観た。
ジョンとケイトのコールマン夫妻とその子供である兄ダニエルと妹マックスは仲の良い家族だった・・・しかし3人目の子を死産したケイトは生まれてくるはずだった子供の分の愛情を与えたい存在が欲しいという事で家族はある孤児院から養子を迎える・・・その娘はエスターという名前でとても頭が良く個性的な感覚をもっており、最初は家族とうまく馴染んでいるようだったが、やがて絵スターを学校でからかった女性徒が後で転落事故で大怪我をしたり不可解な事が起こりはじめる・・・・といったストーリー。
パターン的には昔からよくある一見無垢な子供が何か恐ろしい事をするようなタイプのホラーだが、登場人物の設定が実によく出来ていてはたから見れば幸せそうな家族ながら子供を死産した事で精神的に不安定でありアルコール中毒だった事やそのせいで娘マックスを死なせかけた過去を持つ妻ケイト、うまくいっていない姑との関係、実は10年前に浮気していた事がある夫ジョンといったちょっと「アメリカンビューティ」を思い出すような「家族の歪み」の描写がブラックな感じで面白い★
この映画の重要キャラクターであるエスターに関しては首と手首につけたリボンを絶対に外そうとしない謎と彼女が以前世話になっていた養父母は火事で死んでいるという話、彼女がかっていたというロシアの孤児院が存在しないという不可解さ、そして彼女の行なう様々な危険行為の不気味さも恐怖を盛り上げる。
それから妹マックスの耳が難聴で話せないという設定もスリリングな展開にうまく作用していたし、恐怖シーン意外の何でもない日常シーンまでもがわざとドキッとさせる演出を行なっていて飽きずに結構楽しませてくれる。
とにかくイザベル・ファーマン演じるエスターは不気味な存在感を大きく放っていて印象に残ったし、この女優が大きくなったら是非「悪女」や「狂女」を演じてほしい!(笑)
子役では話せない設定ゆえに「目」での演技が光っていた妹マックス役のアリアーナ・エンジニアも強い存在感を放っていたリ、ケイト役のベラ・ファーミガの見せる「母親」の凄まじい強さなどこの映画は基本ホラーながらアクの強い「女の戦い」を見せてくれる映画でもあった。
監督のハウメ・コジェ=セラは「蝋人形の館」を撮った人で、あの映画でも大抵は助かるはずの主人公であるヒロインの足の指を容赦なくチョン斬ったり意表をつく残虐さを見せてくれたが、この映画では「残虐」より心理的にどんどん追い詰めるような怖さを見せてくれてエスターによってどんどん崩壊していく家族の描写が非常に巧みだったし、また前回とは違うホラーの見せ方を楽しませてくれた感じ。
作品全体の印象としてはストーリーや設定的にもハッキリ言って「楳図かずお」的世界であり、楳図作品でいえば「洗礼」ともう1つの代表作(タイトルを言ってしまうとこの映画のネタバレになるのでここでは言わない)をミックスしたような映画だったながら、日本で昔実写映画化された「洗礼」(正直ダメ作品!)よりもより本来の原作にあるような「洗礼」的テイストと楳図独特の世界観や美学を深く感じさせたり、もしかしたら映像化作品がことごとく駄作が多い楳図作品をこの監督ならうまく表現できたりして?とも思った。
ジョンとケイトのコールマン夫妻とその子供である兄ダニエルと妹マックスは仲の良い家族だった・・・しかし3人目の子を死産したケイトは生まれてくるはずだった子供の分の愛情を与えたい存在が欲しいという事で家族はある孤児院から養子を迎える・・・その娘はエスターという名前でとても頭が良く個性的な感覚をもっており、最初は家族とうまく馴染んでいるようだったが、やがて絵スターを学校でからかった女性徒が後で転落事故で大怪我をしたり不可解な事が起こりはじめる・・・・といったストーリー。
パターン的には昔からよくある一見無垢な子供が何か恐ろしい事をするようなタイプのホラーだが、登場人物の設定が実によく出来ていてはたから見れば幸せそうな家族ながら子供を死産した事で精神的に不安定でありアルコール中毒だった事やそのせいで娘マックスを死なせかけた過去を持つ妻ケイト、うまくいっていない姑との関係、実は10年前に浮気していた事がある夫ジョンといったちょっと「アメリカンビューティ」を思い出すような「家族の歪み」の描写がブラックな感じで面白い★
この映画の重要キャラクターであるエスターに関しては首と手首につけたリボンを絶対に外そうとしない謎と彼女が以前世話になっていた養父母は火事で死んでいるという話、彼女がかっていたというロシアの孤児院が存在しないという不可解さ、そして彼女の行なう様々な危険行為の不気味さも恐怖を盛り上げる。
それから妹マックスの耳が難聴で話せないという設定もスリリングな展開にうまく作用していたし、恐怖シーン意外の何でもない日常シーンまでもがわざとドキッとさせる演出を行なっていて飽きずに結構楽しませてくれる。
とにかくイザベル・ファーマン演じるエスターは不気味な存在感を大きく放っていて印象に残ったし、この女優が大きくなったら是非「悪女」や「狂女」を演じてほしい!(笑)
子役では話せない設定ゆえに「目」での演技が光っていた妹マックス役のアリアーナ・エンジニアも強い存在感を放っていたリ、ケイト役のベラ・ファーミガの見せる「母親」の凄まじい強さなどこの映画は基本ホラーながらアクの強い「女の戦い」を見せてくれる映画でもあった。
監督のハウメ・コジェ=セラは「蝋人形の館」を撮った人で、あの映画でも大抵は助かるはずの主人公であるヒロインの足の指を容赦なくチョン斬ったり意表をつく残虐さを見せてくれたが、この映画では「残虐」より心理的にどんどん追い詰めるような怖さを見せてくれてエスターによってどんどん崩壊していく家族の描写が非常に巧みだったし、また前回とは違うホラーの見せ方を楽しませてくれた感じ。
作品全体の印象としてはストーリーや設定的にもハッキリ言って「楳図かずお」的世界であり、楳図作品でいえば「洗礼」ともう1つの代表作(タイトルを言ってしまうとこの映画のネタバレになるのでここでは言わない)をミックスしたような映画だったながら、日本で昔実写映画化された「洗礼」(正直ダメ作品!)よりもより本来の原作にあるような「洗礼」的テイストと楳図独特の世界観や美学を深く感じさせたり、もしかしたら映像化作品がことごとく駄作が多い楳図作品をこの監督ならうまく表現できたりして?とも思った。
by lucifuge
| 2009-10-20 21:10
| 映画/洋画