2009年 12月 05日
グローバル・メタル |
「何故私の好きなヘヴィメタルは嫌われるのか?」をテーマにへヴィメタルの歴史の考察と欧米各国を取材したカナダの人類学者サム・ダンが作り上げたドキュメンタリー映画「メタル・ヘッドバンガ-ズ・ジャーニー」から2年、今度は「ヘヴィメタル」音楽は欧米だけでなくそれ以外の意外ともいえる地域で広まり進化し続けているという「メタルのグローバル化」をテーマに再び世界各国に旅立ったドキュメンタリー第2弾「グローバル・メタル」をDVDで観た。
ドイツでのメタルの大フェスティバルを映したオープニングからまずサムが向かったのは<ブラジル>・・・・ブラジルには90年代メタルの代表格の一つとされる世界的なバンド「セパルトゥラ」が存在するが、ここではセパルトゥラの元フロントマンだったマックス・カヴァレラへのインタビューの他、ブラジルという国とメタル音楽との関係性を考察し、続いて向かった日本でのファンたちのメタルの捉え方やヴィジュアル系という世界では他に見ないメタル(?)の形などを取材、そして次に向かったインドでの宗教やカーストを背景にしたメタル事情、中国における共産主義体制下でのメタル、インドネシアにおけるイスラム教思想下での政治的なメッセージ性が強いメタル、イスラエルにおける宗教・民族・思想や戦闘状態などの危険な日常とメタルの関係、さらにドバイで取材した入国できなかったイランのメタル事情ではインドネシアよりさらに厳しいイスラム思想下でのファンたちの活動などそれぞれの国における「へヴィメタル」の形とそれに関わる人々の姿が映し出されていて、メタルというフィルターを通しながらもそれはある意味世界の縮図を見るようなそんな印象も受けた。
ブラジルではメタルがそのまま自由と民主主義の象徴のような意味合いも含んでいたり、日本では非日常の体験を楽しむようなアトラクション的楽しみ、インドでは宗教やカーストのしがらみからの解放、インドネシアではパンク的意味合いも強い政治への闘争など捉え方は違えどそれに関わる人々が基本的に楽しむ姿勢は変わらないというのはイイ事だし、イスラエルではスラッシュメタルの帝王・スレイヤーの曲「Angel of Death」の歌詞とホロコースト問題についての解釈、それから北欧の本気なナチメタルバンドとのいさかい話なども危険ながら面白かった☆
またイランのメタル状況はメタルTシャツ着てるだけで逮捕とか曲を聴くのも困難な状況の中、それでも聴きたいと奮闘するファンたちの話が凄かったし、これまで自分が当たり前と思っていた気軽にメタルTシャツ着ていつでもCDが買え、聴けるという環境にいる事がメタルファンとして非常に恵まれた事なんだと感じた。
とにかく「メタル」という音楽を好きで楽しむ意識が国家や民族、思想など何も関係なく通ずるもので、それは凄く素晴らしい事だし、また私も絵を描いていて作品画像を海外のサイトに載せたらイスラエルの人が作品に好意的なコメントくれた事があったりと、それはメタルや音楽に限らず芸術全般で考えても同じ事が言えると思う。
「芸術」というものはそういうグローバルに通じて楽しめるものなんだと、この映画で改めて実感出来たし、ラストシーンを飾るインドでの初ライブが実現したアイアンメイデンのライブ模様は今後のさらなるメタルのグローバル化を象徴しているようで感動的だった♪
サム・ダンはこの後テーマをアイアンメイデンのツアーのみに絞ったドキュメンタリー映画も制作したが(未見)、次はどんな視点でメタルを捉えた映画を見せてくれるのかも楽しみ☆
メタルと社会的弾圧や裁判、殺人など「事件」について追ってみる作品なんかも面白そうだけど・・・。
ドイツでのメタルの大フェスティバルを映したオープニングからまずサムが向かったのは<ブラジル>・・・・ブラジルには90年代メタルの代表格の一つとされる世界的なバンド「セパルトゥラ」が存在するが、ここではセパルトゥラの元フロントマンだったマックス・カヴァレラへのインタビューの他、ブラジルという国とメタル音楽との関係性を考察し、続いて向かった日本でのファンたちのメタルの捉え方やヴィジュアル系という世界では他に見ないメタル(?)の形などを取材、そして次に向かったインドでの宗教やカーストを背景にしたメタル事情、中国における共産主義体制下でのメタル、インドネシアにおけるイスラム教思想下での政治的なメッセージ性が強いメタル、イスラエルにおける宗教・民族・思想や戦闘状態などの危険な日常とメタルの関係、さらにドバイで取材した入国できなかったイランのメタル事情ではインドネシアよりさらに厳しいイスラム思想下でのファンたちの活動などそれぞれの国における「へヴィメタル」の形とそれに関わる人々の姿が映し出されていて、メタルというフィルターを通しながらもそれはある意味世界の縮図を見るようなそんな印象も受けた。
ブラジルではメタルがそのまま自由と民主主義の象徴のような意味合いも含んでいたり、日本では非日常の体験を楽しむようなアトラクション的楽しみ、インドでは宗教やカーストのしがらみからの解放、インドネシアではパンク的意味合いも強い政治への闘争など捉え方は違えどそれに関わる人々が基本的に楽しむ姿勢は変わらないというのはイイ事だし、イスラエルではスラッシュメタルの帝王・スレイヤーの曲「Angel of Death」の歌詞とホロコースト問題についての解釈、それから北欧の本気なナチメタルバンドとのいさかい話なども危険ながら面白かった☆
またイランのメタル状況はメタルTシャツ着てるだけで逮捕とか曲を聴くのも困難な状況の中、それでも聴きたいと奮闘するファンたちの話が凄かったし、これまで自分が当たり前と思っていた気軽にメタルTシャツ着ていつでもCDが買え、聴けるという環境にいる事がメタルファンとして非常に恵まれた事なんだと感じた。
とにかく「メタル」という音楽を好きで楽しむ意識が国家や民族、思想など何も関係なく通ずるもので、それは凄く素晴らしい事だし、また私も絵を描いていて作品画像を海外のサイトに載せたらイスラエルの人が作品に好意的なコメントくれた事があったりと、それはメタルや音楽に限らず芸術全般で考えても同じ事が言えると思う。
「芸術」というものはそういうグローバルに通じて楽しめるものなんだと、この映画で改めて実感出来たし、ラストシーンを飾るインドでの初ライブが実現したアイアンメイデンのライブ模様は今後のさらなるメタルのグローバル化を象徴しているようで感動的だった♪
サム・ダンはこの後テーマをアイアンメイデンのツアーのみに絞ったドキュメンタリー映画も制作したが(未見)、次はどんな視点でメタルを捉えた映画を見せてくれるのかも楽しみ☆
メタルと社会的弾圧や裁判、殺人など「事件」について追ってみる作品なんかも面白そうだけど・・・。
by lucifuge
| 2009-12-05 22:43
| 映画/洋画