マイケル・ジャクソン THIS IS IT |
私はマイケル・ジャクソンは私の音楽的な趣向からして違うし有名曲意外はあまり聴いた事がなく知らないのに加え、マイケルの姿といえばマスコミに歪められたようなゴシップ的側面のイメージが大きくてこれまでその実像を知る事がなかったのだが、映画はリハーサルにおけるマイケルの様々な姿を追い、音に対する妥協しないこだわりが見られるシーンや周囲への気遣い、自らのヴィジョンへの実現に向ける真剣さなどこれまで知るマイケルのイメージとはまるで違う姿が見られたのは新鮮だったし、彼が「キング・オブ・ポップ」といわれる理由がよくわかる。
またひとつのステージを作り上げるためにダンサーからスタッフ全てが一流のプロフェッショナルが集められ、マイケルを中心に最高のものが作られていく様子は観ていて感動的でもある。
楽曲のシーンではホラー好きにとってはやはり「THRILLER」のシーンが注目で、ライブ中に使われる映像制作では低予算のホラーが数本作られそうなくらいのグレードのものが作られていたり(まあテイスト的にはディズニーの「ホーンテッドマンション」風のあまり気持ち悪くないグロテスクさを持った造形だったが)、ステージ上では巨大グモが登場したり、まるでアリス・クーパーのライブを思わせる演出が面白い♪
また「SMOOTH CRIMINAL」ではフィリップ・マーロウが登場するクラッシック映画「三つ数えろ」とマイケルを合成した映像を作るシーンがあったり、「BEAT IT」ではメタルライブさながらのギタープレイとの共演などマイケルのステージは音楽のジャンルの枠を越えて様々な楽しさが味わえるまさに壮大なエンターティメントとして存在していたように思える。
リハーサルの映像だけでこんなに凄いのなら実際観てみたらどんなに素晴らしかったのだろうと思うと彼が急逝したのが残念でならない。(一部オカルト系雑誌では生存説が流れていたりもするが・・・)
それからこういう映画は(もうすぐDVDが出るが)家の小さなテレビ画面で観るのでは全然良さが違うというか半減してしまう気もするので、是非とも大画面と大音響でその臨場感を体験してもらいたいと思う。